 19870327 人の顔
人の顔の表情を見ることは喜びである。喜びとはそれまでの状態から励起の時生じる心の振動だ。人の顔のバリエーションの豊かさには、本当にいつも驚かされる。今日東急デバートのエレベーターに乗っていて、そこの人たちの顔を見て、またつくづくそれを実感した。
後ろ姿からは全く予想もできない容貌。たとえ知っている人の顔であっても、後ろからはその表情までは読み取ることはできない。しかしその全体の感じから、泣いているか笑っているかが分かることがあるように、意識のレべルを変えれば未知の人の容貌まで分かるのだろうか。またはそれに代わる認識の仕方があるのだろうか。
見ていて飽きない雑踏の中の人々の顔。街中ではそれはまさに千載一遇であり、一期一会である。自然の一つの眺めと出会いのメタファーであり、またそのものである。まさに昔のパルコのコピーではないが、驚いている自分に驚いている自分である。
19870327 優しい無関心。この言葉…。冷たい無関心のネガティブさに比べて何と肯定的な、いや肯定否定を超えているがゆえの素晴しさよ。「彼」は昔から気が付いていたのだ。意識に上らなかっただけで。
19870327 心の励起。自己満足的でない自己充足感は自己信頼を生む。この意識の励起感。通常意識からいえば少し狂躁状態だが、そういうものなのだ。意識の収束点に繋ぎ止められた狂気と寄ん所なき狂気。前者は狂気とは言わない。それは盲導犬の牽引力であり、引かれる者はやがて目を開く。そんな風にして世界は広がる。「彼」は決して後悔しないだろう。
19870327 あらゆる会話はメタロ―グである。
吉祥寺百景（０６３）19870327
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