（A00９）

■１■日本のガラパゴスとも言われ、固有種生物の豊富な小笠原諸島。その父
島の本来野宿禁止の森の中に、翼を広げれば１メートル以上になる小笠原オオ
コオモリの定点観測をすべく、１ヶ月間テント生活をしてからもう20年以上が
経つ。唯一の交通手段である小笠原丸も新しい船に代替わりしてから久しい。

■２■かつて小笠原への定期連絡船・小笠原丸の空間移動パターンは「１日目
／東京発→２日目／父島着→３日目及び４日目／父島泊→５日目／父島発→６
日目／東京着」と６日サイクルだった。今は東京で１日停船して１週間サイク
ルになっているが、かつては１週間で見ると７日目は１日目と重なっていた。



■３■年末年始とか季節の揺らぎを考慮しなければ、この小笠原丸のウンコウ
パターンは 365日の内部分割問題として考えることができる。平年は６×60＝
360で５日余り､閏年にはちょうど61回運行が可能となる。パターンで見ると下
記の様になる。４年ごとに閏年が入るので､８年で487往復のサイクルとなる。

　　　　　　　　　　１年目 ３６５日 ６０往復 ＋５日
　　　　　　　　　　２年目 ３６５日 ６１往復 ＋４日
　　　　　　　　　　３年目 ３６５日 ６１往復 ＋３日
　　　　　　　　　　４年目 ３６６日 ６１往復 ＋３日
　　　　　　　　　　５年目 ３６５日 ６１往復 ＋２日
　　　　　　　　　　６年目 ３６５日 ６１往復 ＋１日
　　　　　　　　　　７年目 ３６５日 ６１往復 ＋０日
　　　　　　　　　　８年目 ３６６日 ６１往復 ＋０日

■４■８年は2922日だから、487×６＝365×８＋２＝2922日ということだ。同
様に暦の上で６日サイクルで進むものに「六曜」がある。旧暦に基づいて「先
勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順で繰り返す。日本では普通の暦や手
帳にも記載されていて、結婚式は大安、葬式は友引を避けるなどと言われる。

■５■仏滅や友引など仏事と関わり合いそうな言葉であるが、仏教とは一切関
係ない。現在では「せんかち、ともびき、せんまけ、ぶつめつ、たいあん、し
ゃっく」と読むのが一般的らしい。太陰暦ではなくむしろ１年 365日の太陽暦
であれば、毎月６曜×５サイクルでぴったり当てはめて用いればよさそうだ。



■６■しかし毎月１日の六曜が下記のように確定しているのが特徴だ。旧暦で
は月日により六曜が決まることになる。すなわち４月１日は仏滅だから、花祭
りの８日は必ず大安となり、８月１日は友引なので、十五夜の15日は必ず仏滅
になる。旧暦同様に毎月日数が不定なグレゴリオ暦でもこれを踏襲している。

　　　　　　　　１月先勝・２月友引・３月先負・４月仏滅・５月大安・６月赤口
　　　　　　　　７月先勝・８月友引・９月先負・10月仏滅・11月大安・12月赤口

■７■これはそれぞれ１年の間に天中する銀河恒星面の回数である(6×61＝）
366回、及び13の月の暦の１年の日数(7×52＝）364日の間に挟まれた地球の１
公転365日の間に、６曜は{365(＋１)＝6×}61回巡り、７曜は{365(−１)＝7×
｝52回巡るということだ。61＝７＋９×６であり、52＝７＋９×５でもある。

■８■地球の１年 365日は５日サイクルで見ると73回巡る計算になる。この73
が20繰り返されると地球の４年1460日となり、１日の閏日が入って1461日とな
る。この間に月はほぼ50回満月を繰り返す。365 の分割方法は様々だ。超遠視
にも極近視にも成り切らず、自在にズームできる思考と視座が必要であろう。