（８５５）３つの論理と１つの地球

　以上のように３つの数の論理というものを展開したが、ここで面白いことに気が付いた。１天文単位（ＡＵ）つまり地球と太陽の間の平均距離はほぼ１億５千万キロメートル（より正確には１ＡＵ＝１４９，５９７，８７０キロメートル）である。地球の楕円軌道において、地球が太陽に最接近した時の半径が１４７，０９８，１００キロ、同じく最も遠のいた時の半径は１５２，０９７，９００キロであり、そして地球の楕円軌道の全長は約９３９，８８６，５００キロとなっている。ここで３つの数の論理の関連比率の数である、３６０と２６０と１００００を掛け合わせてみよう。するとこの論理積は９３６，０００，０００となり、地球楕円軌道全長とかなり近い値になる。つまり地球の楕円軌道全長には、地球の３つの数の論理の比率＜３６０と２６０と１００００＞がすべて入っていると表現することができるのである。

　この地球楕円軌道の全長を、円周率πと１０の累乗だけでπ¹⁰・１０⁴（＝９３６,４８０,４７４.８）キロメートルという近似値で表現することもできる。また１天文単位もπ⁹・１０⁴・１／２またはｅ⁸・１０⁵・１／２と表現することができるのである（ただしｅは自然対数の底）。また１０：１２≒φ²：πとして10進法と12進法を見てみたり、π⁹≒ｅ⁸・１０などと見て、超越数のφ、ｅ、πなども普通の数と同じように扱うことが可能である。

　ところでエジプトにあるギザの大ピラミッドの斜面傾斜角は５１度５１分である。また形の研究家・高橋励氏によれば、α水晶（＝５７３度C以下でできた通常の低温型水晶のこと）の斜面傾斜角は５１度５０分だ。この自然界が作った水晶のミクロサイズでの角度と、人間が造った（と考えられている）マクロサイズの石造建築物の斜面傾斜角がほぼ等しいというのは、一体どういうことなのだろう。水晶には固有の振動数がある。たとえば時計に内蔵されている水晶片の弾性振動数は普通３２７６８Ｈｚだがこれは２¹⁵Ｈｚであり、この特徴からクォーツ時計ができている。ピラミッドもまた宇宙線や太陽からの電磁波を受けて、固有の振動を発しているといわれている。このピラミッドの素材はわざわざ遠路はるばるそれに適したものを運んできた特別のものであり、また昔は御影石のパネルを全面に張り込んであったという。

　地球には「地球結晶体」の表面共振の基本振動数として考えられているシューマン共鳴というものがある。これは第２次世界大戦初期に、米軍のレーダー探知員により偶然発見された７．５Ｈｚの極超低周波であり、１波長がちょうど地球の１周分４００００キロメートルにあたる。これが大気圏上層の特定イオン層（シューマン層）で反射・共鳴して振動数が整数倍の高周波を生み出すため、電波は定常波パターンを構成する。この結果、世界中のどことでも交信が可能となるのである。またこの共鳴は倍音列を生じるので、経度だけで見れば地球全周長と、エジプト−マヤ、マヤ−日本、日本−エジプトそれぞれの間の長い方の距離に等しい２／３の波長や、短い方の距離分オーバーフローしたこれは４／３の波長、つまり５度や４度の関係の協和音も発生する。エジプト、マヤ、そして日本に相当する位置をも含め、かつて実際にバイ・ロケーション的意識次元の状態で、地球の異なる地点において瞬時に同じ情報を共有する何らかの技術が存在していたのかもしれない。

　人間の脳波は１／２〜３Ｈｚをδ（デルタ）波、４〜７Ｈｚをθ（シータ）波、８〜１３Ｈｚをα波、１４Ｈｚ以上をβ波と名付けられている。この脳波の律動は、呼吸・閃光刺激・音刺激・低血糖・薬物などによっても著しく変化する。正常な大人の安静状態の覚醒時において、目を閉じた状態の基礎律動は、１０Ｈｚ前後のα波である。しかしこの状態のまま目を開けると、α波は消失してβ波に移行してしまう。これはαブロッキングという現象なのだが、目を閉じることによる意識の外世界と内世界の反転に対応していて興味のある現象だ。かつて平静時や瞑想状態の脳波の波形であるα波は７．５Ｈｚくらいで安定する帯域があると言われていた。形状や大小にかかわらず、同じ振動数の音叉であれば、同じ音として区別がつかなくなる。これは少し乱暴な表現かも知れないが、もしシューマン共鳴と人間の脳波が共に７．５Ｈｚで同期することがあるとしたら、｢我、即地球｣、「自分と地球はひとつである」というような神秘的な感覚の言明は、当然なのではないだろうか？

　地球レベルの何らかのシフトが現在起きつつあることは、程度の差こそあれ誰でもが感じ取っている。しかし同時に、多くの人はそれを否定する。さまざまな世界中の原住民の伝説と予言、ニューサイエンス、宗教の真に良心的な部分の人たちなどは、この惑星レベルでの変化をさまざまな表現で提示している。いわく、アセンション・アクエリアス時代・ニューエイジ・ポールシフト・プラトンサイクル２６０００年の終焉・至福１０００年・最後の審判・ハルマゲドンなどなど…。これらは一言で言えば地球の高次元への反転である。現状維持が不可能であることは、オゾンホールや森林伐採・温室効果・異常気象・環境ホルモンなどの環境問題、人口問題・食料危機・電磁波や極高周波・極低周波などの精神的汚染の問題を示すまでもなく、誰でも気づいていることである。

　地球の磁場フィールドと同じように、人間の周囲にも形態形成のバランスを保つ磁場が、脳内に存在する磁鉄鉱分子との連動で存在していることが分かっている。また過去４億５千万年の間に、地球は１４回磁気逆転を繰り返してきたことを、古地磁気学はデータで表している。現在の地球は磁気力の強いピークであった２０００年前に比べると、３８パーセントも低くなっている。地球の自転によって磁力は生まれるが、年々加速的に弱まってきている磁力は一体何を意味するのだろう。磁力の強さと思考の現実化のスピードは反比例するといわれている。ある理想が実現するのにかかる時間は、２０００年前には数世代かかったのに、磁場が崩れようとしている現在は即時といってもいいほどに早くなってきている。情報の氾濫と共に、周囲にこれほどシンクロニシティが多発するのも、時間の流れ方が多重多用に重なってきている感覚も、その現われなのではないだろうか。

　そこで大事になってくるのは、思考の質と強さである。人は自分の望む通りの未来を呼び込む。楽天的にパラダイスを目指すか、悲観的にインフェルノを選択するかは、当人の自由意志に委ねられている。地獄が好ましい人を、無理矢理極楽に引っ張っていっても、そこは地獄だと感じるだろう。もはやどちらが良いとか悪いとか判断でする問題ではない。全体性として見れば、そのそれぞれの位置というものも重要なのだろう。すべての人が正直になれば、すべての人がその人にとっての極楽・天国に向かうことができるのだ。

　最近この地球の固有振動数が年々あがってきていているという科学的データもあるようだ。また西暦２０１３年までには、その振動数が１３Ｈｚにまで高まるという情報もある。その時は、私たちが生まれた時の２倍ものフリークエンシィになっているということだ。もし人間の脳波のα波もその地球の固有振動数に引っ張られて安定点が上昇を続け、通常意識の脳波であるβ波の下限の１４ヘルツ付近に近づいてきたらどうなるのだろう。私たちは普段から妄想と現実の区別ができないまま、夢見のような混沌とした意識状態になるのだろうか。それとも穏やかで優しい菩薩のような意識のまま、悟りのままで日常生活が送れるのだろうか。

　地球の磁場が弱まり、固有振動数が上昇してきている現在のプロセスは、かつてピラミッドの中でファラオだけが次元上昇しようとしていた状況が、いながらにして皆で体験できるチャンスが到来しつつあるとも考えることができる。しかしもしこのプロセスの結末として飛躍的進化が期待できるとしても、その前に地磁気の逆転もしくはそれに類する現象が起きたとしたら、電気系を中心にさまざまなシステムが崩壊する。蓄積された無数のデータは全て消滅してしまい、その結果私たちはある種の記憶喪失状態を体験することになる。

　もっとも古臭い習慣や機械的生活パターンも消え去り、睡眠の時間や質そのものにも変調をきたすと予測されている。磁気と深い関係があるというＤＮＡの眠っていた９０％以上の部分が目覚めて活動を始めたら、この新しいフリークエンシィにも適応できる可能性が高まるだろうし、周囲の人たちとの世界観共有によってみんなで新しいパラダイムを創出し、そこに入っていく（地球そのものの変容と次元上昇）ことも可能となるだろう。もちろん過去の固定した記憶に固執して、自ら好んで独自の次元もしくはその狭間に進む人もいるかもしれない。そのよう状況下において、さまざまな情報の発信や受信も、この先に述べた３つの数の論理に対応させた地域、もしくはさらに細かい地球上の幾何学的グリッドを介して、イルカ・クジラ種族のようにすべての人間の間で瞬時に可能となりはしないのだろうか。それとも地球そのものが、それぞれ好ましいと思う人たちを乗せて、細胞分裂するかのように異なるさまざまな次元に別れていくのだろうか。未知なる未来…。