■１■原子番号76はオスミウムで、元素記号は<Os>である。白金族元素の１つで貴金属でもある。原子量は190.2｡金属中最大の比重と白金族中最高の融点とを有し､青灰色の金属光沢がある。粉末は空気中に放置または加熱すると猛毒の酸化オスミウム(VIII)を容易に生じる。最も密度が高い元素である。[

■２■76は合成数であり、約数は１，２，４，19，38，76の６つである。76の逆数は（１／76＝）0.013157894736842105263…で、循環節の長さは18桁である。76の累乗数は下２桁が元の数に等しい76になる。このような２桁の整数はあと25だけである｡黄金比φの９乗は76.01315561…で、ほぼ76である。

　

■３■76はリュカ数列の第10項である。リュカ数列とは初項２、第２項１で、それ以降の項は前２項の和になっている数列のことである。<２, １, ３, ４, ７, 11, 18, 29, 47, 76…> また76は４番目の14角数である。14角数は(12n^２−10n)／２の一般式で求められる。<１，14，39，76，125，186，259…>

■４■ハレー彗星の回帰周期は人間の寿命とほぼ同程度の約76年で地球に接近する短周期彗星である。軌道は楕円軌道で、遠日点は海王星軌道の外側に達する。公転周期は75.3年だが、他の天体の摂動などによって変化する。最近は1986年に出現した。また軌道傾斜角は約162度で、逆行軌道である。

　

■５■一方の端が開いている100cmのガラス管に水銀を入れて水銀槽に逆立ちさせると、全部は流れ出さずに76cmの水銀が残ってそれより上の部分は真空になることを発見した。エバンジェリスタ・トリチェリー(1608〜47、イタリア)は、このことから大気圧によって液体が押されているという結論に達した。

■６■白鍵52黒鍵36の88鍵からなる現代ピアノで、左端から76番目のキーは７番目のオクターヴのドで、最初のドの２^７＝64倍の振動数(2093.00Hz)である。これは最左端のＡが27.5Hzの時の数値だが、これを月の公転自転周期の数値27.32Hzにすると、76番目のキーは2079.30Hzで260×８＝2080Ｈzに近い｡

　

■７■人間の心臓の右心室の毎分の脈動数は76回である。一方左心室は毎分40〜50回脈動するペースを保持する｡アビドスのセティ１世の葬祭殿にある王名表に刻まれている、紀元前3000年頃の第１王朝最初のメネス王から始まり、セティの統治前までの歴代のファラオの名前の数は76名分ある。

■８■761、769は素数である。58の平方根は（√58＝）7.615773106…であり、59の平方根は（√59＝）7.681145748…である。火星の衛星フォボスの火星に対する公転周期は7.65時間である。１辺１の正12面体の体積は(15＋７√５)／４の式で求められるが、その値は7.663118961…である。

　

■９■天王星公転周期は30688.4897日であり、この１／４である7672日はほぼ260朔望周期日（29.5日×260＋１）であり、またぴったり１ヶ月が28日である13の月の暦の273ヶ月（28日×273）である。またさらにこの期間はほぼぴったり地球の21年（365.2422日×21＋１）でもある。

■10■クラドニパターンのティンパニ型の膜の基音パターンの振動は、以下の数式で求められる。【ｆ１＝(0.765／２ａ)×(Ｔ／ρ)^1／2】 なおａは膜の半径､Ｔは膜のヘソの単位当たりの張力、ρは膜の面密度を表す。図は理想的な膜の上のクラドニパターンと周波数の比率関係を示した実験結果である。

GUIDE 76-001