■１■原子番号60の元素はネオジムで、元素記号は<Nd>である。希土類元素で、ランタノイドにも属する。原子量144.24。鉄、ホウ素と化合させる(Nd2Fe14B)と強力な永久磁石となる。また超伝導体の材料やYAGレーザーの添加物にも利用される。またガラスに適量のNd2O3を加えると黄色光を吸収する。

■２■60は合成数であり、約数は１，２，３，４，５，６, 10, 12, 15, 20, 30, 60である。60は１から６までの全ての数で割り切れる最小の数である。60は約数を12個持ち、８番目に小さい高度合成数である。60は２桁の自然数の中で72, 84, 90, 96と並び、最も多くの約数を持つ。（いずれも12個）。

　

■３■60は４つの連続する素数の和で表すことができる（60＝11＋13＋17＋19）。また60は双子素数<29,31>の和でもある。さらに60は２つの素数59と61の間に挟まれている（59-60-61）。60の逆数は（１／60＝）0.01666…で、循環節の数は１桁である。コバルト60はコバルトの放射性同位体である。

■４■アルキメデス立体の小菱形20･12面体(rhombicosidodecahedron)､変形12面体(snab dodecahedron)、切頭12面体､切頭20面体の点数は60である。同じくアルキメデス立体である20・12面体と変形立方体(snab dodecahedron)の稜線は60本である。また星型12面体は正３角形の60面からなっている。

　

■５■円を描いたコンパスの半径で円周を切っていけば、円周は中心角が60度ずつの孤に６等分される。ベクトル平衡体に４つある大円的６角形は互いに60度ずつずれて交差している。トーラス内には中心軸に対して垂直な大円(Ｗ１)、平行な小円(Ｅ２)、そして60度傾斜しているヴラルソー円がある。

■６■天王星の磁場中心は惑星の中心から大幅にずれており、自転軸から60度傾いている。その強さは地球とほぼ同じだが、地球の磁場よりずっと大きく変動するとされる。太陽系の８惑星の軌道面は銀河面に対して約60度傾いている。（だから天の川は黄道面に対して60度傾いて見える。）

　

■７■正12面体の面で決まる平面の交線の数は60である。正３角形の内角は60度である。また正６角形の外角も60度である。60度＝π／３ (rad)である。これは１／６周であり、すなわち正６角形の中心角でもある。１エクシビバイト（エクサバイト）は、２⁶⁰バイト（＝1152921504606846976）である。

■８■フィボナッチ数列の最後の桁の数は60の周期で循環することをラグランジェは観察した。またリュカ数列の最後の桁の数字は12の周期で循環する。これは10進法の中にすでに12−60進法的周期が内包しているということの垣間見だろうか。また同様に、３角数のサイクルは20の周期で循環する。

　

■９■現在の時間の単位は１時間＝60分、１分＝60秒である。また角度の単位でも１度＝60分、１分＝60秒である。このように60を１単位として数える方法は、60進法と呼ばれる。干支も六十進法の一種であり、10位と12位の組み合わせで表現されている。実際には各桁を10進法で表す方法が普通である。

■10■シュメール・アッカド・バビロニア由来の数字は60進法である。60進法の有利な点は12で割り切れることだ。60進法では６と10を交互に掛け合わせて計算していく。６に始まり、６×10＝60、60×６＝360、360×10＝3600･･･といった具合にである。現在でも時間と空間の角度などに残っている。


　

■11■聖書では60が何度か顔を見せる。たとえばジェイコブとエサウが生まれた時アイザックの年齢は60歳だった。ソロモン王を警護した戦士の数は60であった。ユダヤ教のカルシュートの法律において、60：１は混合物に事後の適法を与えることができる非清浄な材料へのコーシャの割合である。

■12■60はバビロニアで大きな数の単位として用いられた数である。日本では60歳は干支の一周として盛大に祝賀される。葬祭でも死後60周年の法要（60周忌＝61回忌）を行う例がある。結婚60周年の祝いをダイヤモンド婚式という。特に西洋では、ダイヤモンドが60周年の記念や形容されることが多い。

　

■13■ギリシアでは60を｢ひとそろいの数｣ととらえ、プルタルコスは「ワニは60個の卵を産み､それを60日間抱えて孵し、60年間生きる。かように60は天界の現象の基本数である」と語っている｡ またタルムードの思想では「火は地獄の60分の１、眠りは死の60分の１、夢は予言の60分の１」と表現している。

■14■ドゴン族のシギは60年ごとに祝われる。ドゴン族は60という数を宇宙の胎盤として考えている。エジプトにもオシリス（復活の原理）と関連付けた、同様の周期があった。（「天空の蛇」注p.23）コーランには「アッラーは、自らの60キュビットの長さのイメージでアダムを創った」とある。

　

■15■六十干支とは十干(甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸)と十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)の組み合わせで、60回で一周する。即ち、年毎では約２世代(60年)、月毎では５年(60ヶ月)、日毎では約２ヶ月(60日)で１周する。60は中国では人間の寿命の数(還暦)である。

■16■西日本、韓国、台湾、フィリピン、サウジアラビア、アメリカ合衆国及び米大陸のいくつかの国の商用電源周波数はアメリカ由来の60Hzである。なお東日本の周波数はドイツ由来の50Hzである。米・日のテレビは毎秒30画面を、１つの画面を２回用いた毎秒60回の画面としてちらつきをなくしている。

　

■17■日本国憲法第59条4項では「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しない時は、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」と規定している。米俵１俵の重さは４斗（約72リットル）､16貫、もしくは60kgである。

■18■普通乗用車の一般道路における法定速度（全ての道路で適用される最高速度）は時速60kmである。制限速度が有名無実化した道路も多いことから、実勢に合わせて上限を80kmに引き上げようとする案もある。なおＦ−１レースでは逆に、ピットレーン速度を100kmから60kmに引き下げの動きがある。

　

■19■5040の正の約数の総数は60個である。すなわち<1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,
12,14,15,16,18,20,21,24,28,30,35,36,40,42,45,48,56,60,63,70,72,80,84,
90,105,112,120,126,140,144,168,180,210,240,252,280,315,336,360,420,504,
560,630,720,840,1008,1260,1680,2520,5040>である。

　（※）掛け合わせて5040になる約数の折り返し点は70と72の間にある。なお71^２＝5041である。

■20■人間の心臓の収縮時は脈拍数にかかわらずほぼ一定（0.4秒）である。これは1日の1/216 000の長さで、0.000004629629…日(463は90番目の素数である)だが、１／60^３日でもある。シュメールの神々の12柱にはそれぞれ15の倍数である「神の数字」がついているが、最高位の神アヌには60がついている。

　　女　神 　　　　　　　　　男　神
　　５ ニンフルザク　　　　　10 イシュクル(アダト)
　　15 イナンナ(イシュタル)　20 ウツ(シャマシュ) 　太陽神
　　25 ニンガル　　　　　　　30 ナンナル(シン)　　 月神
　　35 ニンキ(ダムキナ)　　　40 エア(エンキ)
　　45 ニンリル　　　　　　　50 エンリル(後でマルドゥク)
　　55 アンツ　　　　　　　　60 アヌ 　　　　　　　天神

　

■21■地球の20年は7304.844日であり、マヤの計時法の１カトゥン(＝360日×20)は7200日で104.844日の差がある。そしてこの２者の平均は7252.422日だが、これは木星と土星の会合周期7253.1753日にほぼ等しい。木星と土星の会合は120度ずつずれていき、３会合周期・60年でほぼ元の位置に戻る。

■22■月の２朔望周期日＋１日は60日である。また土星の２公転周期＋１年は60年である。ストーンヘンジの外側にある石の数は全部で60個である。フラーレンＣ60は炭素原子60個からなる。60メートル走は陸上競技種目の１つである。１回のダーツで成し遂げられることができる最高スコアは60点である。

　

■23■600は合成数であり、約数は１，２，３，４，５，６，８，10, 12, 15, 20, 24, 25, 30, 40, 50, 60, 75, 100, 120, 150, 200, 300，600の24個である。600(＝24×25)は24番目の矩形数である。600は720以下の自然数の中で、360, 420, 480, 504, 540, 660, 672と並んで最も多くの約数を持つ。

■24■600胞体は最も多くの立体を持つ正多胞体である。杉原千畝がビザ発給によってナチスから救ったユダヤ人の数はおよそ6000人といわれている。601は双子素数<599,601>であり、中心つき５角数である。602(＝２×７×43)は楔数である。6028は中心つき７角数である。6047は安全素数である。

　

■25■水星の反射能(アルベドー)は0.06である。なおアルベドー(Albedo)は物理学用語で、ある物体から錯乱反射される光の量とその物体に入射する光の量の比のことである。アルベドーが0.1であるとは､入射した光の10％が反射されるという事だ。太陽の表面温度は6000度Ｃである。

■26■土星の赤道半径は60,000kmである。人間の１つの細胞には約２ｍの長さのＤＮＡが入っており、その４種類の塩基の総数は､約60億個である。火星の77会合周期は60049.69日である。601は素数である。水星と火星の596会合周期は60143.1日である。金星の247.5自転周期は60147.45日である。

　

■27■水星の519会合周期は60156.99日である。金星上の514.5金星日は60159.9日である。水星と金星の416会合周期は60159.96日である。火星の87.6公転周期は60179.80日である。海王星の公転周期は(約164.77年)60182.418日である。水星の684公転周期は60183.00日である。231.5ツォルキンは60190日である。

■28■金星の268公転周期は60218.80日である。月の2040朔望周期は60241.2日である。水星の1028自転周期は60288.29日である。log４は6.02059991…である。１辺１のデルタ14面体の表面積は７√３）／２＝6.02177826…である。アボガドロ定数（Ｎ）＝6.0221367×1023／molである。

　

■29■木星の13.9公転周期は60221.79日である。土星の5.6公転周期は60252.10日である。可視光線のうちの赤色の波長は605〜750nmである。金星の赤道半径は6,052kmである。6053はソフィー・ジェルマン素数である。(２×３×101＝)606は楔数であり、また６つの連続した素数の和(89＋97＋101＋103＋107＋
109)でもある。

■30■6069は９角数である。607は素数であり、また３つの連続した素数の和である(197＋199＋211)。60710(＝１^４＋２^４＋３^４＋･････＋11^４＋12^４)は12の超立方ホロン数である。ミトコンドリアDNAのリング状に並んだヌクレオチド(16569対)のうち、照合に必要な超可変数域は608対である。

■31■１海里(＝1852ｍ)は6080フィートである。37の平方根は(√37＝)6.08276253…である。6084(＝78^２＝１^３＋２^３＋３^３＋･････＋11^３＋12^３)は78の２乗であり、12の立方ホロン数である。6098(＝３×７×29)は楔数である。水星の体積は6.085×10^10km^３である。6095は23次魔方陣の定和で
ある。

GUIDE 60-001