■１■原子番号53は元素記号Ｉのヨウ素でハロゲン族に属する。原子量は126.9044で、性質は塩素及び臭素に似る。ヨウ化物として海藻類・海産動物中に存し、各種染料・消毒・医薬等に用いる。体内で甲状腺ホルモン合成するための必須元素だ。人体に摂取・吸収されると血液中から甲状腺に集まり蓄積される。

■２■ヨウ素の同位体は37種類が知られ、ヨウ素127のみが安定である。健康に多大な影響をもたらす放射性同位体ヨウ素131の半減期は8.02日で、ベータ及びガンマ崩壊キセノン131(安定同位体)へと推移する。甲状腺の組織を破壊する傾向があり、通常被曝後ヨウ素131が減衰したずっと後に甲状腺癌等は表れる。

　

■３■素数とは１と自分自身のみで割り切れる１以外の自然数のことで、小さい方から<２，３，５，７，11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53…>と続く。したがって53は16番目の素数である。なお53は（３番目〜７番目の）連続する５つの素数の和で表せる素数である（53＝５＋７＋11＋13＋17）。

■４■「53平均律」とは３⁵³／２⁸⁴の値を元に、１オクターブを53等分した音律である。純正５度を７等比分割すると半音12個でオクターブが構成できるが、純正５度を31等比分割すると53個でオクターブになる。53音律とピタゴラス音階の誤差は0.4セント以下、53音律と純正調の誤差は1.5セント以下である。

　

■５■大英帝国時代に発足したイギリス連邦は、英国とその植民地だった独立の主権国家から成る緩やかな集合体で、現在の加盟国は53カ国である。何れの国でも君臨すれども統治せずの原則が貫かれ、国王と総督の統治権は形式的なものだ。（実際は54カ国だが、現在パキスタンは参加停止処分を受けている）

■６■世界最大の地域機関であるアフリカ連合（ＡＵ）に加盟している国の数は53である。この数の中には日本が未承認の「サハラ・アラブ民主共和国」を含まれており、またモロッコは非加盟である。現在のアフリカ大陸の国は54であるとされている。しかしまだ西サハラ問題など複雑な問題が残されている。

　

■７■東海道53次とは江戸時代に幕府によって宿駅伝馬制度が作された５街道の一つで、江戸日本橋から京都三条大橋に至る東海道の間に53箇所の宿駅が設けられていた。なお始点日本橋と終点三条大橋も数えると全部で55となる。歌川広重による浮世絵木版画の連作はこの55枚。里程は124里8丁、約492kmである。

■８■地球の赤道半径は5637kmであり火星の赤道半径は3396kmである。この２惑星の比は１：0.53＝100：53である。地上から見る太陽円盤の視直径は0.533度である。この直径分だけ太陽が天空を移動するのに２分を要する。１日は1440分だから、太陽円盤が約720個分移動するとちょうど１日が過ぎる計算となる。

■９■バビロニア出土品から算出されたキュービットは531mmである。３の12乗は531441であり、19の５角数は532である。1451年はほぼ530000日(正確には529966.4322日)である。純正律音階の基音Ｃと２オクターブ上のＦ(18度)との振動数比は16／３＝5.33…だ。73の２乗は5329であり、20の正８面体数は5340だ。

GUIDE 53-001