2012.03.01 Thursday　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

■１■今日から暦の上では３月。４時５分、起床。今日からベッド横に時計を置くことにした。真夜中に何時か分からぬまま起きる事がないようにだ。今日はデルピーの鳴きに起こされた。みかんは自分の猫ハウスの中で寝ていたけれど、すぐに起きて来た。隣りをの窓から覗うともう人影が…。

■２■26分にバイクが隣りから発進したので、当家前に来るのは30分頃かと予測して、猫と共に待機するが来ない。イレギュラーの原因は不明のまま、みかんは餌になる小動物を待つようにじっとしている。44分、エレベーターが動き出して５階へ。「ほう…はいっ」と言いながら新聞投函。

■３■「おはよう、おりこうだねぇ…ふふふ」と配達員さんの声。今日は珍しくデルピーが前列に。足音が去ると、デルピーは速攻で居間に戻る。みかんもそれを見てダッシュで追う。新聞を取り出して、昨夜ザックジャパンは負け、なでしこジャパンは勝ったことを思い出す。外はまだ深く暗い。


2012.03.02 Friday　

　　　

■１■午前４時。これからの30分を何か有効に使えないかと考えた。一昨日昨日と見たすぐ近所の野良仔猫。餌をあげようと思いつつ人通りが多くてあげられないが、この時間なら人がいないはずだ。そう思ってカップ１杯分のキャットフードを持って行ってみた。猫はいなかったが餌は置いて来た。

■２■家に戻るとみかんが騒ぎ始める。そろそろ定時か。夕べ風呂に入ってかなり伸びていた髭を剃ったからか、今朝は何かさっぱりした気分だ。そこで今朝は４時20分に台所のドアを開放し、玄関ドアに隙間を開けてみた。いつもより早いセッティングに準じてみかんとデルピーは玄関に移動。

■３■５分過ぎ10分過ぎてもいつもの人の姿が見えない。それはそうだ、10分以上早いんだから。猫たちがじれてくる。特にデルピーは廊下で早朝ダッシュを始めた。31分にようやく隣りのマンション前にバイクが止まった。デルピーにつられてかみかんも大爆走を始める。35分にバイクが発進した。

　　　

■４■５分以内に当家に到達するはずなのに、２匹は玄関と居間、台所と寝室と縦横無尽の爆走中だ。40分、エレベーターが上がり始める。みかんは玄関を忘れてベッド下や机の裏側まで走り込んで暴走中。黒猫デルピーは闇の中に消えた。しかたないのでみかんの首筋をふん捕まえて玄関へ強制移動。

■５■エレベーターがもう４階まで来ている。仕方なく廊下の端にみかんをぷん投げる。みごとに着地したみかんは、エレベーターが開く音でドア側に向きを変える。何事もなかったかのように声をかけてくれるおじさん。「おはよ、うり、うりうり…、おりこうだねぇ」押し黙ったままのみかん。

■６■おじさん退出。居間の奥でどしゃーんと音がする。デルピーが走り回って何かを落としたのだろう。調子に乗り過ぎのあいつにはいっぱつお仕置きしちゃろーか。でもまあ猫だからぺしぺししても因果関係を理解しないだろうなあ。はい、今朝も焼かつをほぐしてやったから食ってちょう。


2012.03.03 Saturday　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　

■１■ああ、今日はひな祭りか。４時から起きて居間で過ごすが、今日は新聞配達のバイクがいつもより20分遅れで、４時50分にようやく隣りのマンションに来た。イレギュラーの理由は不明だが、デルピー＆みかんはじれてか追いかけっこを始めていて、家の中じゅう飛び跳ねて大暴走。

■２■５時ちょうどに１階からエレベーターが動き始めた時は、電気を消した家の中の闇にまみれて２匹とももはやどこにいるのか分からない。かなり焦りつつも取りあえずひとり玄関へ。みかんが台所を抜けてダッシュで来て、また居間に戻ろうとするので首根っこふんづかまえて一緒に待つ。

■３■エレベーターが開き、配達員さんが出てくる。「ふう…、よいしょっと」ちょっと疲れている？それでもみかんを見て「おはよう、ふふ…、おりこうさんだね」と言ってから退散。デルピー、この間合いで登場して、ドアの外を覗く。だから遅いって。で、今日も朝は焼かつお本ぶし味ね。


2012.03.04 Sunday　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　

■１■夕べは11時過ぎにもう起きていられずにベッドに倒れ込むように寝たのだが、午前３時に目が覚める。僅か30秒後、居間からみかんが鳴きながら起こしに来た。抗わずに猫の示すまま起きてみよう。１日につき50分ほど月に引かれてずれていく生命サイクルもあるが、今朝は目覚めよし。

■２■途中必ずどこかでオチるが、それでも１日が長いのは良いことだ。３時20分、近所の野良仔猫たち用に、カリカリと猫缶の残りを持って階下へ。一昨日は野良用にカリカリを山盛りにしておいたのだが、その後雨が降って来たので、水浸しなのではと心配していた。しかし餌は皆なくなっていた。

■３■さきおとといの夜、老夫婦が野良猫庭前で話をしながら餌をやっていたのを見たが、一昨日の朝見たら、それはご飯にかつお節などを掛けた猫まんまだった。道路際に置いてあったので、人目を避けた立木の奥に置き直す。近所には庭に糞をする猫を嫌っている人もいるわけだし。それはそれ。

　　　

■４■３時30分、余裕のまま朝の…というより未明のシャワー。昨日は夕刻に入浴したのだが、浴槽で再読した三木成夫の『人間生命の誕生』が面白くて頭を洗わずじまいだったので洗髪。15分弱で「あ〜さっぱり」。みかんもデルピーも大人しく居間にいる。４時５分。何とも自由な時間だ。

■５■４時32分、隣りのマンション前から新聞配達のバイクが発進するのを視認し、玄関ドアに隙間をセット。さてみかんは？と見まわしたが姿が見えない。おかしいなと思って探すと、床の上の洗濯物入れカゴに入っていた。猫は本当に自分のサイズにぴったりのものの中に入るの好きだな。

■６■37分、エレベーターが玄関前に到着する。「ほいっ、ふうぅ」という小さな掛け声と共に新聞を投函すると、配達員さんは腰を屈め、みかんの鼻先に手を伸ばし「ふふふ…おはよう、ほれっ、ほれほれ…ふふふ」とコンタクト。そしてすぐに駆け足で次の配達に去って行った。今日も良き日。

　　　

----------藤森かよこさんの書き込みへの返信コメント-------------

■ほんまに有難きお言葉でございます。猫に恵まれたがゆえに幸倍増の日々であります。「我が家に来てくれて本当に有難う」と感謝に堪えない時もあれば、超うるさくて「つるして猫鍋にするぞごるぅあ〜」と茶を沸かすべきヘソのあたりが煮えくり返って暴言を吐くこともあるような、実に穏やかな日常です。

■幸い猫は不味いらしく、猫料理は聞いたことがないので、我が家は人を食う猫と猫を食わない人の共存が成立しております。それでも「万が一の時の非常食糧」とは目しておりますが、その食料が摂取する日々の食糧（カリカリとか）の費用がかかり過ぎ、つくづく資本主義に向いていない自分に呆れます。

■他者のためでも自分のためでもなく、ただ淡々と１つことを記述するという作業を試しにしばらくやってみようと思い立ってはや半年以上…。よもやこんなに続くとは。新聞配達のおじさんと猫の数秒の遭遇のために、めっきり超早起きになりました。飽きたらふいっとやめるつもりで、まだ続いておりまする。


2012.03.05 Monday

　　　

■１■４時15分に目覚める。今朝はデルピーが起こしてくれた。外は雨。居間に移動して本棚の上の猫ハウスを覗く。みかんは起きていた。隣りのマンションを見ると、３階通路の中央にある蛍光灯が切れかかっていた。その点滅があまりに不規則なので、必要ないのだがちょっとドキドキする。

■２■東の窓から闇の中に降る雨を見ていると、机に飛び乗ったデルピーが頭をすりつけてくる。小動物の最初の印象は、まず温かいものということだ。脳に盛んに血流が行くからなのか、頭が一番温度が高い。猫なりにいろいろ考えているのだろう。触ると耳の中と肩の骨の間もかなり温かい。

■３■４時39分に隣りのマンション前に到着した配達バイクが、43分にはそこの作業を終えて出発した。ゆっくり準備をしていると、みかんだけでなくデルピーも玄関にやってきた。51分、エレベーターが開いておじさんが新聞を配達する。「よいしょ…はおよう」今日はちょっと短めの挨拶。

　　　

■４■足早に去る雨合羽の後ろ姿を見詰める２つの小さな後頭部。今朝は猫雁首２つ並べて出迎えしたらしい。高い悲鳴にも聞こえるパイクのブレーキが雨の街に響く。はい、撤収〜。居間に戻って餌をと思ったら、餌皿の中にチューチューキャッチのダミー鼠が入ってた。餌と同じ扱いなの？

■５■今朝は雨なので下の野良猫たちに餌を与えることができない。朝定番の焼かつおの切り身をほぐして分け与える。新聞を床に広げて見始める。今夜のなでしこジャパンのアメリカ戦は午後11時から。昼寝しとくか。デルピー、自分の猫ハウスにご帰還。随分と温かくなったが外はまだ暗い。


2012.03.06 Tuesday

　　　

■１■みかんの鳴き声が聞こえる。ベッドから闇の中の時計に手を伸ばす。４時45分…オーマイガッ！寝過ごしたじゃーん。30分はとうに過ぎちょるがっ。…しかたない、たまにはいいか、仕方ないべ。アルガルペ杯でなでしこジャパンがＵＳＡを初撃破したの見て、寝たのは１時過ぎだし。

■２■ん？外は雨。ひょっとして雨天仕様でまだ来ていない可能性もあるのとちゃうか？取りあえず起きよう。すぐに玄関ドアを見に行く。新聞受けに手を突っ込むがまだ来ていない。ドアの隙間からエレベーターを見る。まだだ。おし、やった！みかんとそこでしばし待つ。54分、来たーっ！

■３■エレベーターから明りが洩れでて、「よいしょ」と配達員さんが出てくる。新聞投函。「んー、おはよう。いいこだねぇ…んじゃね」遅れているし、雨だし、今朝はちょっとさっぱり味？階段を早足で降りて行く音がする。実際降りやまぬ氷雨。大変だよな、この仕事も。満足かなみかん？

　　　

■４■デルピーがゆっくり玄関口に来た。おまえな〜…わざとなの今さら？取り敢えず撤収。今朝も玄関遭遇イベントは成功だ。昨日は猫エサ買い足して来たし、夕べ焼いてあげたサバがまた残っているので、今朝は焼かつおはなしね。んー…やっぱ眠いので、２度寝していいですか、みかん。


2012.03.07 Wednesday

　　　

■１■３時45分、みかんの大鳴き＆ベッド上の蹂躙攻撃にシカトし切れずに起きる。あれ、そういえば今日は水曜日だから不燃ゴミを出す日だ。よし、早々にゴミを出しにマンション玄関の外に出て、ついでに雨でずっと気になっていた野良仔猫のために缶詰の残りとカリカリ持ってってやろう。

■２■４時５分。外気を随分と温かく感じつつゴミ出しから戻ると、暗い部屋の中にうごめく小さな猛獣が２つ。なんでそんなに絶妙な距離感保ってるの、兄妹なのに。フラッシュたいて撮影しても、遠くの方が光る眼だけになっちゃうな。４時30分に隣りマンション前に配達バイク到着だ。

■３■38分、エレベーターが上昇開始。今朝はデルピーとみかんのツートップ。新聞配達員さん、早速声をかける。「んほっ…おはよう。おりっ、おれっ…うり、うりっ…」みかんの鼻先に手を伸ばしているのだろうな。階下に降りて行く足音。よーし、今日はこれで撤収〜。居間で猫朝飯だな。

　　　

■４■あれ、ひょっとして名古屋市は不燃物が月イチに変わったんじゃなかったっけ？ふと思い出して調べたら、やはり第３水曜日だけだった。しかたなく再度着替えてゴミ回収に行って来た。あれ、デルピーが見当たらないな。もうねぐらに入ったのか？と思いつつみかんと遊ぶ。外はまだ暗い。

■５■「なー、うなー」とどっかで声がする。締め切った台所ドアの向こうだ。開けてみると、デルピーだった。黒いから全く分からないよ。なんで15分間も耐えて大人しくしてたのだ？今日は『スターピープル』用の猫まんがロングバージョンを製作しなくちゃ。夜は２試合サッカー観戦だし。

　　　

■６■猫々朝日記＋。お家モーニング中。名古屋では喫茶店に行ってモーニングを食うという根強い風症があるが、多忙の時は自宅でトースト焼いてコーヒーと共に「お家モーニング」をするのだ。立ち話していた愚妻の背中に、相手にされないままだったデルピエ郎が突如キレてジャンプ＆クライミングした。

■７■猫々朝日記＋。愚妻、ぐぐっとこらえて立て直すものだから、デルピーも図に乗って（？）背中に居座る。なんか乗る方も乗られる方もこれはこれでＯＫみたいな雰囲気になってきて、ずっとそのまま固まってしまった。一生このまましてるのではと思わせる愚妻は、おつむが早々に春うららとふと思う春。

■８■絵づらが面白いので１人だけでなく人々にも晒そうと思って撮影したけれど、そんな自分が情けなくなって来た。この机の上にはみかんがいて、ちょっと冷たいあきれ顔して、この１人と１匹を見ている。いや、あいつの目にはそれを撮ってる私も明らかに同列に映ってる。ああ、もうこんな生活あかん！

　　　

■９■みかんも同じフレームに入れてしまえば「同じアホ」で括れると思ってみたけれど、自分は別だと言わんばかりにぷいっと外を向いてしまった。しかし同じ方向向いてるから、それなりにシンクロしているんですけど〜。…ていかんいかん、猫まんが製作しなくちゃ〆切に間に合わんっちゅーの。


2012.03.08 Thursday

　　　

■１■４時30分、みかんと共に東向きの窓から隣のマンション下を覗っていたら、玄関の方でガコンと音がした。え…何の音？まごう方なき新聞が配達された音だ。急いで玄関に行ってみる。新聞受けに手を突っ込んでみると、朝刊が既にある。デルピーがドスンと冷蔵庫の上から降りてきた。

■２■ドアを開けて隙間から外を見る。エレベーターは３階に止まったままだ。なぜ？いつもより早く配達されたとしても、５階までエレベーターが来ていないのはなぜだろう。３時半にみかんに起こされて、１時間も闇の中、パネルヒーターの前で眠ったり起きたりしていたのは何だったのか？

■３■今朝は逆転負けだよ。パターン崩しは喜んで受け入れよう。しかし謎の台頭にはさらに慎重に臨まなくてはならない。夕べＡＣＬでグランパスが終了間際に２−２に追いつかれ、なでしこジャパンが終了間際に３−４でドイツに屈した２試合を思い出して、一気に疲れが出た。眠い。寝ます。


2012.03.09 Friday

　　　

■１■２時過ぎからデルピーとみかんが交互に起こしに来るのに辟易しているうちに、気がつけば４時20分。飛び起きて窓から隣りのマンションを見る。静かなままだ。居間に行くと愚妻が起きて何かやっている。こんな時間に煌々と電気つけて何やってんだよ。邪魔だとばかりに追いやり暗くする。

■２■昨日は配達されてすぐに見に行ったが、いつもは５階に止まっているエレベーターがいなかった。幽霊新聞配達？その謎を今日は解かねばと思いつつ玄関を開ける。35分、ちょっと目を離して隣りを覗っている数秒の間に、エレベーターが５階に来ていた。やばっ、すぐに配達が…あれ、来ない。

■３■もう配達して行っちゃったのかと新聞を取り出そうとするが、新聞受けにはまだ新聞はない。なら一体なぜエレベーターが来たのか？昨日の幽霊新聞配達の続き？誰かが間違って５階のボタンを押しただけ？だとしてもこの時間に半年間で初めてのことだ。謎を抱えたまま40分…50分…新聞は来ない。

　　　

■４■ようやくバイクが下に停まる音だ。行ったり来たりしているデルピー。みかんもドア前にスタンバり直す。エレベーターが１階まで降りて行き、各階ごとに停まりながら再び上がって来るのがとても長く感じられる。52分、ようやく玄関前が光で溢れる。今朝は２匹そろい踏みで出迎え。

■５■「ほうっ…っしょっと」と配達員さん。「おはよう、こりゃっこりゃっ…おはよ…んふふ」と伸び上がるデルピーにも手を伸ばしている様子。走り去る姿をドアの隙間から見る２匹。さて、居間に撤収。次は昨日見かけた白黒野良のケンビシ１号と２号用に、夜明け前の猫餌デリバリーだ。


2012.03.10 Saturday

　　　

■１■みかんの執拗な起きろ攻撃に屈して、４時20分ベッドから出る。居間に移動すると愚妻が起きていた。なんでいるんや？邪魔だし。電気つけとっちゃあかん！動きまわるのに通りにくくて迷惑。猫々玄関遭遇を見たいらしい。外は雨。イレギュラーな日だ。ほぼ定時の30分前後に窓辺に。

■２■猫々朝日記。みかんと共に見続けるが一向に来ない。雨で遅い配達の比のパターンか？玄関を開ける。45分、３階にいたはずのエレベーターがいつの間にか５階にいる。誰も乗っていない。自動プログラムがパターンを記憶したのか？50分、５階に停まったまま、節電モードで内部の電気が消えた。

■３■デルピーがピアノの上に乗ったり、カリカリ箱を落としたりしてひとり大騒ぎしている。５時ちょうど。ホイッスルのようなあのバイクのブレーキ音が雨の中に響いて、入口前に停まった。エレベーターが１階に降りて行く。おい、ようやく出番だそみかん…て、どこに行った？おーい。

　　　

■４■ベッドの頭側の板の裏に潜んでる。こらっ、何のために何十分も闇の中にいたんだよ、来ーい！半ば強制的に玄関前に移動。デルピーもやって来る。５時02分、５階に到着するエレベーター。「よいしょっと」と掛け声のような小さな声と共に出てくる配達員さん。ドアに隙間があるのを見て「おほっ」と言い、隙間から覗く２匹の猫に「おはよう、いいこだね、んふふ…」と声をかける。

■５■僅か数秒の邂逅はすぐに終わった。隙間から入る風も冷たいとはいえ、肌を刺すほどではない。満月を超えて３月の中旬の始まりだ。居間に戻ると、愚妻は新聞の到着を待つのに飽きてか、とうにベッドに戻っていた。明日から私は関東に移動するので暫くお休みとあい成る次第である。