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■１■午前１時、ドカン！という音で目が覚めた。窓の下で声がする。カーテンを少しだけ開けて見下ろしてみる。横断歩道の前に車が止まり、信号の横にバイクが横転している。ドライバーが外に出て、ひたすら謝まりながら警察に電話している。警官２人が来て検証を始める。こっちはもう二度寝できない。

■２■３時間眠れないまま４時15分に外に出る。外は８℃、北風強し。体感温度４℃。厚めのジャンパーに毛糸の帽子で歩き出す。手と耳が冷たすぎる。両手をポケットに突っ込む。これは転んで打ち所悪かったら死ぬな。酔って路上で寝ても死ぬ。山中の遭難だけでなく、街中でも遭難はある。気を付けよう。

■３■今日は2003年に開業した、日本一短い地下鉄上飯田線に乗りに行く。平安通駅と上飯田駅を結ぶ僅かひと駅区間の路線で､全長800ｍしかない。上飯田駅より北は名鉄小牧線となる。まあそのために７km以上歩いていくという頓狂な話なんだけど。そして今日は99日目の夜間歩行。深草の少将を超えて行く。

■４■153号線から千種でＪＲ中央本線をくぐって１つ目の角を右折して、車道(ｸﾙﾏﾐﾁ)を北上する。この通りの名前は、江戸時代に馬車や牛車用に石畳の舗装された道から来ているとか。暑いのでジャンパーを脱ぐ。車道は真っ直ぐ北に伸びていて、正面から北風が吹いてくる。長袖のＴシャツだけだと寒い。

■５■この感覚を湯原温泉で味わったことがある。宿の屋上露天で、風が冷たいので湯船から出ると寒く、温泉の中は熱いという超頭寒足熱状態だった。５時、徳川美術館と徳川園に着く。前回より明るい。さらにひたすら直進して５時17分に平安通駅を通過。５時25分に上飯田駅に到着した。始発は５時35分。

■６■ホームに入ると既に列車はいた。車内に入って驚いた。地下鉄なのに転換クロスシートがある。地下鉄車両としては唯一無二らしい。。鉄っちゃんなら大喜びなのかな。あと、乗車時間が短いからか広告がない何か老人ばかりに見える。ああ、そういえば来る時、多くの若い人が平安通駅に歩いていたな。

■７■上飯田駅を発車して、１分で平安通駅に着いた。名城線の路線カラーである紫色が既に懐かしい。名城線左回り５時44分に乗り換え、さらに久屋大通で５時57分の桜通線に乗り換えて、６時06分に御器所駅に着く。日の出までにはまだ30分近くある。眠い。寒い。苦あれば楽あり。朝風呂にはいるぞーっ！

★99に関する無粋なオマケ

■８■九十九は次百｢つぐもも｣に通ずるという意味で｢つくも｣とも読む｡｢九十九髪｣(つくもがみ)とは老女の白髪または老女を指す。同じ読みの｢付喪神｣は､長いこと使われ続けたり、供養されなかった道具に魂が宿った妖怪のことだ。百から一を取り除くと白になるので、数えで99歳の長寿の祝いを白寿という。

■９■百物語は新月の夜に数人以上で行う。百話語り終えると本物の怪が現れるので、99話でやめ朝を待つという。九十九折りはつづらおりと読む。ダンテの｢神曲｣は３部のそれぞれが33章で全99章構成である。イスラム教では神が持つ99の名前が語られている。ＡＭＨＮをゲマトリアで数値化すると99になる。

■10■小学生の頃、切符などの４桁の数字の間に＋－×÷の四則記号を入れて10にするという遊びをやっていたけれど、百夜通いの最後の日に大雪で凍死してしまった深草の少将を偲び、１から９までの数の間に四則記号を入れて、結果を100になるようにした江戸時代の計算遊びに｢小町算｣というものがある。

１+２+３-４+５+６+７８+９＝100
１２３-４５-６７+８９＝100
１×２×３×４+５+６+７×８+９＝100
１+２+３+４+５+６+７+８×９＝100
１×２×３-４×５+６×７+８×９＝100
１２３+４５-６７+８-９＝100
１２３-４-５-６-７+８-９＝100
１+２+３４-５+６７-８+９＝100
１+２３-４+５+６+７８-９＝100
１＋２+３+４+５-６-７+８９＝100
１２３+４-５+６７-８９＝100
１２-３-４+５-６+７+８９＝100
-１+２-３+４+５+６+７８+９＝100

などなど多数。

20241119 Tuesday