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■１■今夜は昨日の疲れもあるので、小走り自禁にする。御器所から吹上まで約１km。左折して鶴舞への途中で左折し、千種郡道を道なりに進み、荒畑で山王通を超えて矢熊通まで約2.5km｡さらに左折してから桜山で阿由知通を越え約１km､塩付通を左折して約１km､今日は長方形を描いて最終的に出発点に戻る。

■２■裏道を歩いていると、赤ん坊を抱いて夜道をゆっくり歩く若い男性がいた。多分パパだ。ご近所に気を使い、疲れ果てたママの代りに夜泣きする赤ん坊をあやしながら近隣を夜回りしてる。たまに見かけるシーンだ。頭上で音。煙草の火と煙だけが見える。家族に気を遣ってベランダで煙草を吸う人だな。

■３■爆音をまき散らして走るバイク。昔ならカミナリ族とかいう類か。数百メートル先まで喧しい。自らはストレス発散で爽快なのかもしれないが、この手の他者を慮れない輩には困惑する。右膝に僅かの違和感。昨日左膝をかばった反動か。腰や背筋にも注意せよ。体のわずかな信号にも意識を向けること。

■４■｢口元数mmの革命｣という概念が湧く。暴力も他者への強勢もなく、ただ自らの口元をほんの僅かだけ意識した時に上げるだけの革命だ。しかもモットーなどにして自らを縛ることもなく、想起した時にだけ実行する。今しても他者も世界も見えない。笑いかけている自分自身に笑いかけている自分がいる。

■５■自分がなぜ毎日未明に早足徘徊しているのかの意味付けもしないまま、１年の１／５が過ぎた。｢街中の百日行｣…そんなフレーズが浮かぶ。山中を駆け回る｢百日行｣や｢千日行｣は比較するのも失礼なくらい過酷で、常に死と隣り合わせだ。しかし何故とか何日目とか考えもせずただ成す時間が殆どだろう。

■６■車も来ず人も通らない裏道の十字路に猫が２匹いる。そーっと近づいてご尊顔を数枚頂く。当家の猫に似ている。それだけで至福。運気をゲット。自らを幸運と思える者が幸運者。そういえば最初は未明の街中は異世界で、闇の中の人は妖怪の様に感じていたけれど、猫は最初から違和感がなかったなあ。

■７■後半になると体が自然に流れるように進む。体が喜ぶ。体に感謝。もう一生全力で走ることは無いのだろうと思いかけていた。昔の体力に戻るのではない。これから新しいピークを作るのだ。各町の街灯の形が気になり始めて写真を撮る。光源だから潰れて見えない。昼間にしよう。電柱も１本１本違う。

■８■八百屋さんは最後に１文字付けて店名を｢八百■｣と名乗ることが多い。青物屋が青屋になり、沢山の野菜を売るので数が極めて多い事を表す八百をつけて八百屋になったという歴史。目の前に現れた｢八百万｣という看板に対し、それじゃ「やおよろず」やろがい！と無人の看板にツッコミを入れる闇の夜。

20241026 Saturday