METATRONIC METALOGUE 15

051 水平二元鏡と垂直二元鏡を合せ見る

■１■未知の解明を進めつつ、眼前の日常生活も疎かにせずにいること。価値観や世界観が変われば、新しいものが向こうからやって来る。眼前に在ったのに見えなかったものが見えてくる。未知なる未来と既知なる未來が交差する時、新しい未来が生じる。それが認識できた時点で生起するという表現と同じこと。

■２■既得権者による個性否定の平等主義の中で、知的飢餓は自然発生する。既存の知の再生産に交わらない野良の知を過小評価し、能動的知の未整理な直観や偶然の出会いによる情動的動揺に左右される。論理至上思考は知の安寧目的で未知という恩寵もたらす客人神をも封殺し、無知という呪いに自縛されゆく。

■３■知の狩猟と知の農耕。移住と定住。騎馬民族と農耕民族。自然と人工。自然との共存に段々加工を加え、家畜も品種改良の技術と共に知の安定。だが安定した既存の知だけでは限界があり、未知なる知の獲得のための挑戦や試行錯誤も不可欠になる。和を基底に双方の動的平衡を保ちつつ生きる縄文的知生活。

■４■水平二元論を超えて垂直二元論に陥る喜劇が少なくない。せっかく反転により水平二元がリバーシブルである相補性を有しているという視座を得て方向を上方に向けられたのに、下を否定して上から目線での語りはメタハラ(メタフォリックハラスメント)に近い。楽しくできなければむしろ沈黙で示せばよい。

■５■１人では解明できない物事がある。ヒントと巡り会っても１人では見えず掴めない。ヒント側からしても同様で掴めない。ヒントとヒントが互いに存在交差する時、そこに閃きとして瞬時に捉えられるものがある。異なる在りよう同士だから互いに新たな世界が見え、その見方は相補的視座として共有できる。

■６■日本各地にある素晴らしい温泉全てに入るという野望の成就は難しいが、近年は沢山の漫画を揃えてくれている温泉施設が少なくない。源泉浴槽が１つでもあれば有難い。何時間も単行本を読み耽り、疲れたら温泉でほぐすという最高のローテーション。食事も館内で済ませられる。自堕落なほどの至福の時。

20240524 Friday

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