■１■人間も含め多くの生物は、ぱっと見で１,２,３,４…そして５までは瞬時に判別できる。これを数覚と呼ぶ者もいる。そして５と６の違いやそれ以上の数を認識するには時間が必要になる。数を数え計算すると時が流れる。それ以上の数覚を持つ者もいるが、その力を獲得するまでに長い時間を要していた。
■２■色覚も聴覚もよく似ている。単色や単音は瞬時に判別できる。また複数の色や音を集め重ねるとそこに情が湧く。ある音高から別の音高に変わる時、またはある色から別の色に移ろう時、そこに情が流れる。情が動くには時間が必要だ。時は時間となり､人は人間となる。空は空間となり､世は世間となる。
■３■思考も然りだ。瞬時に物事を解するのは直観や啓示と呼ぶ。二元も４値も時間の中で何か真理に近いものを掴む。そしてその獲得したものを共有すべく時を止めようとする。固定したものは既に死に体となり情を揺り動かしはしない。共有しようとするその想いや行動に私たちの情は揺り動かされるのだ。
■４■現世を否定したり、今の世界観を愚かな間違いとのみ表現して、あるべき世界を提示する無慈悲で非力な老人パターンには辟易する。眼前の世界を肯定しつつ、そこをはみ出して在るべき世界に道筋を繋げようとする姿勢。時に固執して逆に止まった時間から出られない老害を、自らも自問し自覚せねば。
2023.11.24
Friday
|