TENSEI-052

■１■私は今、誰にも上手く伝えられないままえらく高揚している。５芒星12面体と正12面体と20-12面体を５芒星群で連結した「星の間」という綿棒多重構造体を改めて制作したのだけれど、辺長比が１：φの２つの正12面体、及びこれら３層のミクロマクロ方向の隙間の比も１：φだし各点間は１／φなのだ。

■２■捉え見える構造全てを３次元の眼前空間で表現しようとすると、綿棒自体の太さがあって多重性に限界がある。１つの点に10本の綿棒を結節させようとすると、どうしても歪みだけでなく距離も長くなる。多重多層の立体が重なってそこにあるのに全てを同時に可視化できない。他者と共有できないのだ。

■３■それでもその整然とした構造自体の美しさの一部なりとも形にして共有したいと、動画に落とし込もうと足掻き続ける。２次元のペンローズタイルの３次元版のほんの一部を垣間見る。第２種菱型12面体や菱型30面体だけではない。どんなに矮小な心や不健康な体であっても、そこには至福と恍惚がある。

■４■これらをすでに知っている人はいるかも知れないし、計算で求めることもできるはずだ。しかし試行錯誤の末に思いつきや偶然も手伝って、今まで見えなかったものが見える驚きと喜びは何ものにも代えがたい。あとは他者と無理せず共有していく未来を見詰めゆくことだ。それではブラックライト点灯！

■５■画像は２重回転対称軸で、正12面体の線数30の線心を対にしての15本。５重回転対称軸は面数12の面心を対にしての６本、３重回転対称軸は点数20を対にしての10本、合わせて31本が正12面体正20面体の回転対称軸数。πの３乗の31。みそひともじの31。暦で最大の月の日数31。３重の位置。人間の身体。

2022.12.18 Sunday