■爺ぃのスタンスを利用して、若者では少し言い難いところを語ろう。最近では余り言わないのかも知れないけれど、男が自分のおちんちんを息子と呼ぶはなぜなのか？自分の分身として責任転嫁するとか、思い通りにならず図に乗ったりしょぼくれたりするからとか、色々な説があるがこれは日本だけらしい。
■英語では俗語でboyはあるらしいが、自らの息子sonと呼ぶことはまずない。日本語のアレとかナニというようにぼやかして呼ぶ時に、そのままの名前でなくthingyという言葉を用いたりするようだが、思い出せない名前や自明のものを指す時にも使う言葉なので、未来の分身の先取り的イメージは皆無だろう。
■医学用語でなく正式名称なのに、英語で手足同様に身体部位として普通にペニスと呼称するほど、日本では陰茎という名詞を出して会話はしない。日常では愛らしくおちんちんなどと呼んでいることが多い。だが女性器に関しては隠語や俗語や方言など無数の呼称はあるが、普段口にすることは憚られている。
■日本古来よりの奥ゆかしさからか、戦後教育のキリスト教的性の抑圧からか、理由は様々に模索できるだろう。生命の本質に近いので社会的良識では口にしないとか、色々正当化はできようが、実際のところ今日びのＬＧＢＴＱも含めた性教育でも、社会的抑圧もあるからかおちんちんほど露出度は高くない。
■フロイトではないが人間は万物に性的イメージが持てるので、隠語や俗語も本当に多い。それらを公に口にすることをタブー視するのも分からなくはないが、現実問題として子供に対する性教育の現場から、オチンチンはよいとして女性器を何と呼べばいいのか、大人の偏見が強くて困惑の声が上がっている。
■抑圧された女性性の解放として、差別をなくすべく「おちんちん」に対応する「おまんまん」のみを推奨したり、そういう時はペニスとヴァギナという言葉を用いれば良いと主張するのは少し違うだろう。外国語でなく本来の日本語があって然るべきだし、唯一の言葉で強引に統一するのも不自然極まりない。
■日本独特の「息子」問題に戻る。それをそのまま女性に当てはめて「娘」と呼ぶことはまずないだろう。日本には本来不在だった１人称と２人称が、現今ではほとんど無数に存在するように、現場の利便性も考慮に入れつつこれも進展していくことだろう。結論や解決策でなく、爺ぃの息子の話で締め括ろう。
■「先生、私の息子が最近元気がないんですけど」という相談をよく受けるお医者の話。40代50代の相談はよくあるらしい。そして60代の相談もないことはない。ある日80代の男性に相談されてつい「あなたそれはもうお孫さんですよ」とい口を滑らせてしまったとか。日出ずる国では息子すらも進化するのか？
2022.01.06
Thursday
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