■１■どの道現在の世界観や人間の在り方は、そう遠からぬうちに現実感をなくし、古典的あるいは学術的な世界観として取りざたされるものになると予測する。ならば逆にこの現今のものの在り方や世界の見え方を楽しみ、人間として味わっておくのも悪くはないと思っている。妄想だとしてもポジティブだ。
■２■過剰に貪るのでも耽るのでもなく、あなたと私の立ち位置と捉え方が、本当の意味でのイン・ラケチとなる前に、自我もそれを知りつつも自らの砂上の楼閣的な増長を味わっておくのも良いのではなかろうか。裏ではずるずるに繋がっていることを見ぬふりをして、孤独や寂しさを現実的に味わうのすら。
■３■最初からずっと、すぐ目の前にあるものに気づいてしまう前に、己れの愚かさ・我儘さ・思慮のなさを意識的にはまり役として全力で演じてみるのも楽しそうだ。その多重多次元の脚本を書いたのも、演じるのも、そしてそれを鑑賞するのもみな多次元の「私」というひとつことの多くの視座たちとして。
■４■現今の社会や世間をただ否定してみても、何かが変わるものではない。空事、妄想事、他人事として、自分だけ安全な場所に置いてものを言うことの姑息さを意識しての演技ならばまだ楽しみの余地はある。みんなで仕組んだ洗脳催眠の奇妙な世界観が、覚醒夢だと知れば目覚めるまではボーナスタイム。
■５■言葉にして文句や忠告はしないけれど、若い子たちの多くはもうみんな知っている。年寄りのために優しい気遣いで耐え忍んでいる。気づかないものが老人であり、時代遅れであり、未知の来訪を阻んでいる。愚か者と言われて怒るのは愚か者だけ。何よりも先ず若者らの未来を敬愛し信頼して頂きたい。
■画像は正12面体の各面に正20面体12個のそれぞれの５角錐部分を埋め込んだ「むつみあい」と名付けられた綿棒多面体。自ら作るか、動画を見なければ、立体としてはなかなか捉え難い。一度見たり作たりすれば、逆に平面的に見えることすら楽しめるけれど。しかしそうするともう、平面にしか見えなかった感覚が失われてしまう。そしてどちらも楽しいけど。
■「むつみあい」というネーミングは、６色に塗り分けられた正12面体同士がそれぞれ６本ある回転対称軸上の対の位置にあり、向かい合っていることから。５重回転対称性の綿棒多面体の回転軸はなぜ12方向６本なのか、なぜ36度捩れていて、軸線上の方向からは10角形に見えるのか？５と６、10進法と12進法。空間認識する私たちのものの見方の方にその本質があるのではという発想は、そう悪くないと思う。
2020.01.06
Monday
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