#020　旅日記：北へ（その２）東京恵比寿

■１■やはりＴＶで集中的に３：11特集が目白押しだ。ちょっとだけＴＶを見ただけだけれど、案の定、番組に関わる人間が全て完璧なはずはなく、個々の力量や怠慢などから、少なからずの失態や無神経さも目に付いた。番組の無神経さゆえにまた傷つく人や不安や恐怖を思い出す人もいたに違いない。

■２■番組の全てが悪いとは言わないが、目に見えない画面や取り上げられていない事実などにも思いをはせる感性や想像力は不可欠だ。それを削ぐのであれば、むしろ害悪でもあると敢えて言いたい。直接見聞きできる者は幸いだが、ニュースだけで共感して分かったつもりならば、単なる内的妄想である。

■３■毎年の広島・長崎のあの日や終戦記念日もそうだが、番組も特集も現地のイベントも、もう少し何か新しくできないもだろうか。過去の価値観が強すぎるだろう。まあそれを言えば正月のようになくすることはできないけれど、全体主義的力学と個人特性顕現のベクトルとはバランスが取られるべきだ。

　　　

■４■この今を逆手に取ってでも、自らの感性とイメージと思考は宝だから、本当に本当に大切にしてほしいと心から願う。…もっともそれを表明したら、この文言自体もまた同じ括りに入ってしまうのではあるけれど。それでも。人も犬猫も心を一つにできるならば、それはそれでよし。猫も黙祷！

■５■３月11日午後２時46分。「１年後のちょうどその時間」という表現。今年は閏年だから、すでに１日多い。太陽系の公転軌道上の全く同じ位置・角度という目安ではなく、人間空間の暦の上での相互の約束に過ぎないということは決して失念しないこと。その上で共有することが重要。

■６■烈っつぁん＆ましまし氏に合うために、東京恵比寿ガーデンプレイス内「ザ・ガーデンホール」でやっているふんばろう日本のチャリティーイベントの会場に行くことにした。烈っつぁんと会うのは、それが一番手っとり早そうだからだ。イベント自体が目的ではないので、最後まで居る必要はなかろう。

　　　

■７■ましまし氏を呼び出しは失礼だから、烈氏と遭遇してからその帰りに迎撃しようかと思っていたら、ましまし氏も会場に出向いて来てくれるという。イベントの趣旨は賛同するが、少し距離を置いたスタンスで物見遊山。純粋な気持ちの参加者に対しては人倫をかろうじて踏み外さないようにしよう。

■８■藤沢から恵比寿まで１時間。４時半頃に会場に到着した。夜は眠くなる前に解散すれば問題なかろう。私はそのままと内に安宿を取り、翌朝いわき方面に出発するという算段だった。恵比寿ガーデンプレイスのガーデンホールはすぐ見つかった。２階に上がって一回りしてから烈っつぁんと顔を合わす。

■９■なにやらいろいろと哲学者とか大学の講師とか関係なく一兵卒として仕事を与えられている様子。ブースの１つの受付に座っている。あまりいつも通りのノリではいられないみたいだ。烈っつぁんが結構忙しそうだ。取りあえずすぐに出会ったましまし氏と、恵比寿の喫茶店で濃いい話の花咲か爺さん。

　　　

■10■イベントの印象も書いておいても罰は当たらないだろう。全体的に雑然としているのは、急遽これだけの参加になったからたせろうか。有料のイベントは知らないが、無料スペースに来る人は無関心なものではないのだから、全体をスーパーバイズする遊軍的視座のメンバーがいてもいいかと思った。

■11■烈っつぁんが引けたのが７時過ぎ。それから３人でサイゼリアで飯を食いつつまたアヤしげな話。10時過ぎに眠くなったましまし氏が退散し、烈っつぁんと私は11時半過ぎまで、ドリンクバーとつまみのみで粘りに粘った。結局東北アクセスより今の話をすることを優先して、今夜?の宿取りまで失念した。

■12■東京のどこぞに宿を取るかと思いつつ、品川駅で12時４分発東海道線最終が滑り込んだので、つい飛び乗った。１時間弱で藤沢の実家に辿りついた。結局で振り出しに戻る。明日又出直すべくこれから時刻表とにらめっこの予定。でももう１時過ぎか。眠気がのしかかってきているのですぐ落ちそう…。

2012.03.11 Sunday