#112　己れの内にて居住まいを正す

■現在高３の姪っ子はもうすぐ受験。先日勉強の後、あと学校に行くのも23日と言っていた。しかもテストとか卒業式も入れてである。毎日毎日がカウントダウンだ。１日１日が貴重である。かといって浮かれ騒いでいるわけにもいかない。受験勉強の最後の追い込みである。未来の自分を見つめ、現在の自分を磨いている。その姿勢を素直に敬い、居住まいを正したい。

■自分も高校生の時や受験直前はもちろんあった。当時の１日は今より長かった。現在はこのように元に戻らない一方的な緊迫のたカウントダウンはない。１日１日のかけがえのなさもない。質も量も同じはずなのに安穏として弛んでいる。試合前の緊張感も懐かしい。あの張り詰めた真剣さ、そして集中しているのだが硬くならず弛緩している意識を取り戻したい。

■「時代も年齢も経験も違うのだから、いまどきの若い子達に自分の過去の記憶を投影して、現在の自分をそのように活性化させ、真剣に生きようとするのには無理がある」…などとは決して誰にも言わないし言わせない。あの未知なる部分の多すぎる世界に対して、謙虚かつ真剣に向かっていく姿勢を忘れることなく生きていきたい。分を弁えて生き、そして超える。

■若き日々を理想化したり懐かしんだり取り戻せない記憶の中だけの生き様とするのではなく、この今に重ね合わせたい。もう彼女が学校に通う日にちは23日もなくなっているけれど、己が身に置き換えてみて、あとわずか３週間ほどで一体何が出来るだろう。一寸先は闇。一瞬先は未知。しかしだからこそこの現在の自分をもっと明晰な意識で自覚しつつ生きていこう。

■そして姪っ子にも親族にも、友人にも知人にも、そして未だ会いまみえぬたくさんの人たちにも、ただ今は幸多かれと祈るのみである。万事すべからく宜しき生に通じる糧であれかし。

2008.12.14 Sunday