#053　日本人、異国人、宇宙人、私

■宇宙人は何も遥か彼方から超光速でやって来るのではなく、今日びは何気なく地球人の中にいる。いや昔から人間の中にいたのだろうけれど、自らを失念して眠り込んでいたのかも知れない。新人類とか未来人などと表現されている若き天才たちもあちこちの分野にいる。昔は「日本人離れした」という表現があったが、今は「地球人離れした」と表現したくなる人もかなりいる。彼らを私はとても好きだ。

■彼らに対比して自分自身を旧人類・古い人間・眠り込んでいた人間であると規定することは、己れの平凡さに対する言い訳と気休めになる。しかし、今まで新しき者たちの活躍する場を整え、努めて準備してきたのであり、そして今からもそれをさらに意識的に続けていくのだと考えることもできる。単に子供たちの未来のためにという表現でも十分なのではあるけれれど、まあ色々な視座があってもいい。

■最近は日本人の魂を持っている外人が多いことに驚かされる。私たちより美しい日本語をしゃべり、伝統的な日本人のような佇まいをした異国人たちの心地よさ。輪廻転生という世界観を背景にできるならば、前世は日本人だったと言って笑う彼ら。多分前世とは大昔のことでも別次元のことでもなく、今ここのちょっとずれただけの在りようなのだと思う。異国人は日本人の中にいる。逆もまた真なりだ。

　　　

■転じて自らを考える時、自分の前世や来世を想定して今この瞬間の自分自身と区別することなく、今このままの自分が日本人であると共に異国人でもあり、宇宙人でもあり、未来人でもあり、過去の様々な人たちでもあると見ることができる視座、感じることができる視界。自分は他者、他者は自分、自分は世界、世界は自分という表現も論理も神秘も取り込んで明確に自覚できる日の遠からぬことを。

2008.06.06 Friday