#365　お金がない人に対しては沈黙しよう

■自分は現在までのところ、お金に困ってはいない。どれだけ困っていないかと言うと、お金の問題でほとんど不安を抱いてはいないのではあるのだけれど、決してお金が有り余っていたり、無尽蔵に使えるということではない。むしろほとんどない。しかし少なからずの人は実際に現在経済的に困難な状況だったり、未来に対していくばくかの不安を抱いているのであろうことは想像するに難くない。

■現実的に仕事を辞めて貯蓄を食いつぶしている人や、現在の収支バランスでは望み通りの未来設計はおぼつかないのでどうしようか悩んでいる人や、もっと切迫していて今月の家賃や明日の食事のあてすらも定かでない人も知っている。世界的に見れば今この瞬間にも食べ物や水に事欠いて困窮している人も多いだろうが、とりあえず直接目前で会った人に対する自らの姿勢を少し改めようと考えている。

■自分がお金に対して裕福な状況とは程遠いながらも無頓着であるということを問われればそのまま答えていたけれど、余りぺらぺらと自らのお金に対する考え方や自分のある意味幸運である状況を語らずにいようと考え直しているのである。なぜなら自分のお金に対する考え方や現在までの状況を語ってもほとんど何の参考にもならず、むしろ経済状況に対する不安や苦痛をより深めてしまいやすいからだ。

　　　

■将来金がなくなって困るのであれば、今ではなく実際その時になってから考えればいいだろうとか、本当にどうしようもなくなってしまってもただ死ねばいいだけじゃんと明るく言っても、その本意は伝わり難く、むしろこれまでどうにかなってきた私がそれを自慢していると思われたり、相手が自らの生き様に幸運が足りないと判じて落ち込まれては、不本意を通り過ぎて自分の言葉の粗野乱雑さを恥じ入る。

■お金の問題は言語や数理や３次元認識と同じくらい根が深く、また現在の人間にとっての本質的な問題であり世界観であるようだ。私もよく「お金はエネルギーだから儲けてもいいんだよ」と言われるが、自ら持ち出ししてまで無料で何かをするつもりはないけれど、お金を計算して利益を考えるのは根本的なところで面倒くさいと言う以前にやるつもりがないので、そのような助言はほとんど役にたっていない。

■お金に関しては何も言う立場にはないので、今はただ口を閉ざそう。その本質はもうすぐ世界が明らかにしてくれる気もする。ただ、今まで無頓着でいられたのは親兄弟や友人知人、そして見も知らぬ人たちの多大なるおかげであることは理解しているつもりだ。今の私がそれに対してできることは、自らお金を稼ぐことではなく、感謝と、そして自らが本当にしたいことを誠意を持ってすることだ。

2007.10.12 Friday