#360　神は平凡に宿る

■神が宿るという意味には深く言及するまい。しかし才能のある者や美貌に長ける者にのみ神が宿ると思いがちだが、案外神は平凡で月並みなところにこそ宿っているのではないか。当人もそれと気づかぬまま周囲から目立たず、そのちょっとした言動や行動で世界を動かしているのではないか。神がいつもいかにもそこに宿っているような者にのみバレバレで降りているとはどうしても思えない。

■能ある鷹は爪を隠す。万能であろう神がその御指を人目に晒すとは思えない。ならば神の残り香を探すとしたら、むしろほぼありえないところにこそ目を付けて然るべきだろう。いやむしろ俗物に見える者や邪悪と評されるような者にこそ神が宿っていると考えることすらできる。何といっても当人がそれと気づかぬのであれば、むしろ万物の裏に遍在すると考えるよりも創造的な着眼なのかもしれない。

■場所や時間に関してもまた然り。いまやもうパワースポットや聖地、シンクロニシティや聖なる周期と言うものに注目し研究した後には、その研究者自体が強力なボルテクスとなり、その者の時が三世を内包してしまうとしたら、むしろ月並みな場所や平凡なときにこそ神が宿り神が御技を成しているその証拠が残っているのではないか。そしてようやく神とは何かという話に立ち戻るのではあるけれど。

2007.10.7 Sunday