#358　感謝の論理階型

■日々より深く世界を観察することなく、「全て神の思し召しです」という言葉を安易に多用する思考放棄の生命ベクトルに対しては、子供の頃はずっと不快感を抱いていた。他者のために自らを投げ打って一生懸命努力したその当人に対して、何の感謝の気持ちをも全く表わxr@i

このようなセリフを吐く感性や世界観にはぞっとしていた。そんな神はないと思っていた。そんな神は今もない。

■その助力者は感謝されるために粉骨砕身したわけではないのだろうけれど、それでも人間として直接助けてくれたものに対して、「ありがとうございます」と心から感謝する発想が欠落しているならば、それはひとりよがりの世界観であり、周囲に存在してくれている様々なものやことや人間を、実は愛する余裕がないのではないだろうか。私はそのようなところには神はほとんど関与しないと考える。

■世界の片隅や裏側で人知れず世界や人類のために努力し、時には命すら投げ打って頑張っている人たちが沢山いるはずだ。そのような直接会ったり知ったりできない人たちにまで感謝の気持ちを持てとは強要しないけれど、せめて自らに手を差し伸べてくれた者に対して直接即時に「ありがとう」と言える人間性を無くさないでほしいものだ。目の前にいてくれるだけでそれはもう恩寵なのだから。

2007.10.05 Friday