#243　元気を出す人・吸い尽くす人

■普通の人なら対人において「ああこの人と一緒にいると元気になるなあ」という人と「なんかこの人といると元気がなくなっちゃう」と言う人とがいるという感覚があると思う。様々な要素があるにしても、こちらの問題と相手の問題、そしてその総合作用というか、関係性そのものの中に生起する双方共に感じる感覚や気運があると言ってもいいだろう。常にネガティブな人、常にポジティブな人、関係性。

■やたら元気がいい人なら全てよしと言うわけではない。自分だけがどんどん元気になっていくけれど、周囲の人は何かげんなりして不活性になって行くようなこともある。もちろん相乗効果的にどんどん元気度が上がっていく元気交流増幅効果とでもいえるような関係もある。自分の元気を他者に与えることで、かえってその気が巡って元気になる人と、他者から奪って自分だけが元気になる人と見ることもできる。

■エネルギー・バンパイア。「パンパイヤ」とはご存知のとおり吸血鬼のことだ。コリン・ウィルソンの小説には映画にもなった「スペース・パンパイヤ」という生命エネルギーを吸収する宇宙生命体が出てくる。それらは共に変身はするものの目に見える物質的存在だったが、私たちの周囲には普通は目に見えない気を吸い取ったり、そういうエンティティに乗っ取られている人を想定することもできる。

　　　

■否定的な力はこの世の人間が精神の領域と、そこに居住する存在を信じない事を好む。見えないものほど強力である。人のオーラが放出するサイキック・エネルギーを食べているという事に気づかない人は少なくない。これは他人事ではない。常に自らを省みることは必要だ。やられっぱなしでいたり、遠ざけることで自らの世界を狭める必要もない。否定せず、自分なりの対抗策もしくは超越案を創ること。

■その人自身がエネルギー・バンパイア的なキャラと見ることもできるし、エネルギー・バンパイアというエンティティに取り憑かれて、自覚のないまま他者のエネルギーを吸収していると考えることもできる。どちらにしてもそれが真実そのものではなく、世界を認識する１つの方法として考えるべきではあるけれど。恐れや憎しみでバランスを失っている人間は、バランスの良い人間よりも取り憑き易い。

■憑きものに関して特に皮肉なのは、多くの人が内面世界の存在を信じていないという事だ。それらのエンティティはまた、自由意志の法則を自分たちの都合のいいように操作できる事も知っている。時には哀れっぽく懇願して、不要な同情で元の木阿弥にすることもある。もしどうしてもそのような存在を否定できないままならば、いっそ光の天使や霊的先人や未来人として扱えるものと付き合えばいいのである。

　　　

■そのような人を美輪明宏は「魔界人」と称している。何はともあれ、先ずは自分自身をチェックして、それから他者との巡り会わせの意味を考え、叱る後にその世界観を書き換えるべく、エネルギー・バンパイアもしくは魔界人などと呼ばれる人間を心地良い往復ビンタで目覚めさせてやればいいのである。案外目覚めるのは自分自身だったりすれば、その世界観自体からもステップアップできるのかもしれない。

2007.02.15 Thursday