#218　バランスボールとマッサージ猫

■机に向かってＰＣでいつまでも終わらないような翻訳もどきの作業ばかりいると、これはもう腰が痛くなる。腰が痛いからといって止めるわけにもいかないので、休み休み続ける。自分の体を騙し騙しことを運ぶわけだから、それが良いわけはない。誤魔化しきれずに近場の温泉施設に行ったり、自宅の風呂に浸かったりしてみたりもするが、完全なる解決策ではもちろんない。睡眠不足と冬の冷えも手伝ってすこぶる調子はよろしくない。時として「あ゛ーっ」と言って床に伸びてしまう。

■背中に６kg余りの重さを感じる。肩と腰のツボにハマって何かとても気持ちが良い。わが家の３歳黒猫デルピエ郎である。去年の秋頃から、人間がうつぶせに横たわると飛んできて背中に乗り、前足後足でワシッワシッと足踏みをする。これがちょうど背中の凝りにベリー効くのである。なぜそのようなことをするようになったのか分からない。しかしこれはもう立派な芸…いや、癒しである。ＴＶがいつ取材に来てもＯＫなくらい、横たわれば必ずマッサージ猫と豹変というか猫変するのだ。

■我が家を訪れる人はいずれその真偽を体感できるであろう。そしてこの黒猫、骨盤あたりを軽くペシペシ叩くとお尻を持ち上げてグッと踏ん張る。落ちないように足先にも力が入る。ペシペシ、グイグイ…というわけで、肩や腰のツボにはまったままグリングリンときまって心地よいことこの上ない。動物虐待とか猫労働基準法に反すると言うよりは、ヒーラーとしての自覚に満ちた崇高な奉仕精神なのである。もっとも時々やめてちょうと言っても退かず、身動き取れなくもなるけれど。

　　　

■今日は窓辺の日差しの中で、あの上にのってバインバインとすると体に良いという大きなゴム玉…なんといったっけなー、バランスボールだったっけ？…あれに乗って腰の養生をしてみることにした。以前からわが家には幾つかあったのだけれど、私はほとんど使わなかったのである。座ってグリグリしていたけれど、何か疲れたのでうつぶせになってごろごろしていたら、デルピエ郎が「おーっと、オレの出番なり〜っ！」とばかりに、背中に飛び乗ってきて、例によりワッシワッシ始めた。

■さて気持ちがいいのか悪いのか。うつ伏せから仰向けに体位を変えて、黒猫ダンベルの上げ下げしたり、胸呼吸の深呼吸で猫を揺さぶったり…もう何がなにやら分からないまま、今日もしっかりマッサージもしていただきました。お礼はスーパーマーケットで、値段が少しサービス価格になったところを狙ってのマグロの刺身か近海ものの大き目のアジである。小鰺を買ってきて茹でて食べていただくこともある。しかしこの猫は養殖や解凍やケミカル臭があると食べやしない食通センサーである。

■そこで時として猫またぎという行動が発生する。普段は有機野菜や自然な食品を取るように心がけているはずの私ではあるが、猫がまたいだ魚を謹んで食することになる。もっともあまり刺身の類をあげすぎるとビタミンＥだかが不足するとか猫本にも書いてあったので、鵜呑みにはしないけれど猫呑みくらいにはそれを信じて、あまり食べさせ過ぎないように心がけている。…あ、続きを書こうと思ったけれど、横になって書いていたら、またデルピーが乗ってきたので今日はここまで。

2007.01.11 Thursday