#212　ヒゲについての途中経過と所感かな

■ヒゲの話をしよう。ヒゲを剃らないままでもう５週間目になるだろうか。ヒゲは伸ばす意識がなくても勝手に伸びてくる。ヒゲをなぜ剃るのか分からないまま、身だしなみのつもりで仕方なく剃っていた。女性たちに面倒だと言うと、女の化粧に比べればそんなのは面倒のうちに入らないと言われた。元々のっぺりした月並みな顔立ちなので、ヒゲ面が見栄えするとは思わないが、長年馴染んだ自分とは異なる自分が鏡に写る。これもまた自分ではあるのだ。もう少し変わってみようか。

■人前に出なくて済んだり、身奇麗にしていなくて良かったからできたことだ。元々遊び心で伸ばしてみただけなので、ヒゲに関しての研究とか予備知識のようなものはないままである。別なところでも書いたけれど、最近は日本人でもヒゲを剃らない人が少なくない。スポーツマンや芸能人でも結構いる。もちろん様々なこだわりや手入れがあるのだろう。確かに男性にしか生えないのだから、セクシーという単語には違和感があるけれど、ヒゲは男性の領域である。

■友人知人と会った時、つい「無精ヒゲが伸びちゃって」とか「もうすぐ切るつもりだけれど面白いので…」などと言い訳をする。「結構似合いますよ」とか言われると、ああお世辞なんだからもう剃っちゃおうかと思い、「うーん、ちょっと…」と言われるとなんとなくもう少し頑張って伸ばしてみようかなと思ったりもする。街中を歩いていても、若い女性とすれ違う時などにほのかに気になる。ヒゲ初心者の羞恥心のようなこの気持ちは何だろう。ヒゲは自意識濃度を高めてくれるようだ。

　　　　

■自分のヒゲは結構毛髪や眉毛などと比べても硬い。自分が生やしてみて初めて他者のヒゲにもいろいろと目が行く。いろいろな種類のものがあるのだなあ。濃いのもあれば薄いのもある。頬ヒゲ、顎ヒゲ、口ヒゲ。黒いの、白いの、ゴマシオバージョン。結構みなさんオシャレを心掛けているようだ。手を掛けて少し不精ヒゲっぽくすらしているではないか。ネットで調べてみたが、ヒゲの手入れをきちんとするための器具や化粧品などの周辺グッズもたくさんあり、結構金が掛かる。

■私は伸ばして初めて気がついたのだが、ランダムに白髪…ではない白ヒゲが混在している。これは若いときにはなかったのだから、年をとった証拠でもあろう。伸ばせばゴマシオとなるのだろうが、今ひとつカッコ悪いので染めてみることにした。そうは言っても食物を口に入れるすぐ近くにあるものだから、下手にケミカルなものや毒性があるようなものは避けねばならぬ。ブラジルのナチュラル素材の染髪クリームを買ってみた。髪ではなくヒゲを染めるために。何か違うかも。

■それにしても昔、デザイナーの友人はヒゲをピンセットでまめに抜いていたなあ。アレは痛かったのではないだろうか。今は脱毛クリームとかいろいろあるようだけれど、男性の女性化が言われていた時代からまた少し進んだのであろうか、このヒゲのカレントは。それにしてもコームだとか毛先揃えだとか大変そうである。私はとりあえず無精ヒゲ系で行くつもりだが、ヒゲ染めは普通しないのだろうか。真っ白ならいいのだけれど中途半端。まあ元々楽しんでいるのだからいいか。

■さて話はまた続くのだが、未来のヒゲについて今後は考えてみようかな。ふいっと剃ってしまうかも知れないけれど。

2007.01.05 Friday