#138　宇宙人する前に地球人であれ

■混迷する現在と不確実極まりない漠とした未来。過去の情報のほとんどはすでに役立たず、常識は次々と覆されていく。現在までの諸問題がクリアーされないまま、新しい問題がどんどんパイルされていく。加速しつづける時間。３次元的・物質的世界観が揺らいでいる。哲学者や宗教家や一部の科学者のテーマであった人間の本質的問題が、いまや他人にお任せでは済まされない。いわんや偶然任せをや。

■変わり行く人間性、変わり行く環境と関係性。これまではそれがひとりひとりの最重要テーマとなり、それから目を背けつづける事は、発狂か死に直結する危機を十分孕んでいる。「私とは何だろう？」「世界と私との関係はどうなっているのだろう？」「宇宙と次元とはどうなっているのだろう？」「私とあなたの関係は一体どうなっているのだろう？」「世界はなんでこんなに美しいのだろう？」等など。

■これらのより未来につながる問いに対する答を、既製品の中から探し出せると考えるのは時代錯誤である。他者の言葉を自分に当てはめて事足りていた、愚かで幸せな時代はすでに過去のものとなっている。ひとりひとりの内側にしか答はない。その答を追求する楽しい作業を怠るのもまた自由である。自由意志を自ら放棄するという自由意志の使い方もあるのけれど、それは決して洗練されたものではない。。

■多重多次元の世界観が、やがて現代の限定された世界観とリンクするだろう。自然に無理なくか、量子的飛躍を通してかは分からないが、個人差があるだろう事は予測できる。そしてそれはもう始まっている。しかしこの限定された３次元世界を、苦渋に満ちたものと観じたまま後にするのは忍びがたい。もっとこの３次元と物質世界を、付加逆時間を、おのれの肉体と愚かなエゴを、十分楽しんでからにしよう。

　　　

■「私とは何だろう？」普通の人が突然、全く別の宇宙人的存在に人格を乗っ取られてしまう「ウォークイン」。生まれた時から周囲と馴染め切れず、ずっと自分は別の星に魂のルーツを持つ宇宙人だと思い、また突然その事を思い出す「ワンダラー」。いずれにしてもその個人史上には多かれ少なかれ悲劇的痕跡がある。そしてそれゆえに生じた現象であるとも、また逆にそれすらもプログラムだとも言える。

■かつて「あの人、宇宙人が入っている」という表現があった。尊敬や羨望や侮蔑など自分達とは異なるという意味合いで使われていた。人間でも中途半端な者が多いが、この文脈で言えば、真の宇宙人は人間とほとんど区別がつかない。真の宇宙人は人間でない事がバレないように細心の注意をしている。そして偽者は本物のすぐそばにいる。当人が否定すれば本物。肯定すれば偽者。何も答えなければ要チェック。

■今の自分のルーツの星は…という発想法自体は、ずっと古くからある自分の魂のアイデンティティを求める時のケースの、そう珍しくないバリエーションに過ぎない。私の前世は？私の根源人種は？ソウルメイトは？時間がくれば嫌でも分かるはず。先走ってエセ宇宙人する前に、まずはしっかり人間しよう。そして他人のそれらしい言葉に安直に騙されないよう、物事を見極める健全な精神の姿勢を培おう。

■例えば私の言っている事だって、その疑うべき戯言の一つかもしれないのだ。そう言われて戯言だと判ずるとしてもそれはすでに術中かもしれないし。「自主的になれ」と人に言われて自主的になったら、それは自主的でばない？パラドクスの中心のちょっと外れたところに盲点がある。次元の多重構造には不要なものはない。パラドクスにであったらまずは喜ぼう。そしてその中心の少し外れた所に未来がある。

■私は今、地球ネイティブであることを強く強く誇りに思う。

2013のジグソーパズル(１)rewritten & replaced

2006.07.03 Monday