#002 ５つのプラトン立体を作る

■１■３次元空間において最も対称性の高いプラトン立体は全部で５種類ある。立体面を構成する正多角形は無数にあるが、私達の通常空間において自重で歪まないのは、最小の正３角形だけだ。面の構成要素が全て正３角形からなる正４面体･正８面体･正20面体は、それぞれ綿棒６本･12本･30本で製作できる。

■２■各面が正方形の正６面体と、各面が正５角形の正12面体は、重力によって歪むので、自立するためには正４角錐及び正５角錐による補強が必要となる。正６面体は構成要素の12本の他に、強を24本で合計36本が必要となり、また正12面体の方は構成要素の30本の他に、補強を60本で合計90本が必要となる。

■３■では実際に作ってみよう。準備するものは#001で紹介したペーパーセメント(これは小分けされたチューブ入りのものもある)、必要な本数だけの綿棒。綿棒にはノーマルサイズのものと、軸が細いベビー綿棒とがある。着色したい時はカラーインキ、蛍光ペン、カラーマーカーなど各自好みで選択のこと。

■４■机などを汚さないための作業用の台紙は何でも良いが、調理用のクッキングシートをお勧めする。ペーパーセメントを綿棒の両端に付けた後、そのままシートの上に置いて乾せるからだ。しかも何度でも使える。なお机の上などにペーパーセメントが付いてしまっても、乾いてから擦ればきれいに取れる。

■５■できた作品を長く残しておきたい時は、綿棒多面体の形を整えてから接合部分にボンドを塗って固定する。ボンドは速乾性のものを適度な水で溶いて、粘着度を緩めてから絵筆などで塗るとよい(※)。またペーパーセメントは揮発性なので周囲に火を置かず、長時間使用する時は換気に十分注意すること。

(※)様々な接着剤があるが、時間が経つと変色してしまうものもあるので注意のこと。個人的には木工用の速乾性セメダインを用いている。引火性・毒性がなく、シックハウス症候群的対策もあるので、超過敏の人以外は安心して使えると思う。

■６■綿棒の頭部にペーパーセメントを塗布する時も、かっては両手に１本ずつ持って、付けてから水あめのようにネリネリして調整していたものだが、最近では複数本同時に浸し、そのままクッキングシートに乗せて乾かすという豪快なやり方もある。規定し過ぎて楽しさを奪うより丁寧さも個人に任せたい。

20240105 Friday