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■馬場温泉は川渡温泉から鳴子温泉に向かう国道47号線沿いにある。今回はそ
の広い敷地内にある湯小屋「馬場温泉共同浴場」に立ち寄った。入浴可能な時
間が11:00～15:00となっているのは、基本的に地元の人が良く使う時間を外し
てあるのだろう。馬場温泉のフロントで料金300円を払って湯小屋に向かう。

■入り口の看板が「どうぞ」と書いてあれば、それをひっくり返して中に入れ
る。使用中の人が中にいる場合は、「入浴中」となるシステムだが、この時期
は３方にある窓を開け話してあれば無人、入浴者がいれば外から見えないよう
に窓を閉め切っているので、見ればすぐに分かる。看板を返して兎に角中へ。

■ここは温泉好きの間ではかなり有名な重曹泉､つまりナトリウム-炭酸水素泉
だ。色はコーラのような黒褐色で、いわゆる油臭が少ししており、すべすべの
感触もある。成分表には掲げられないが、モール泉でもあるはずだ。口に含む
と少し指すような味がする。常に新湯が投入されていて、実に新鮮で個性的。

■しかしネット上の入湯者の感想が口を揃えてとにかく熱いと言っているので
、最悪入れない覚悟もしてきたのだが、やっぱりとてつもなく熱い。しかも見
渡しても水が出る蛇口が見当たらない。湯もみ用の板もない。自然にそのまま
掛け流されて排水されていくだけなので、これ以上温度を冷ますすべがない。

■46度以上は確実にあるだろう。しかし温泉評論家・郡司勇氏をして「東鳴子
の宝である」と言わしめるこの湯に浸からずには帰れない。とにかく何度も掛
け湯をして息を止めながらでも入ることにした。泡付きの記事も見かけたが、
湯口には確かに泡が見えるが、湯の中で体に泡が着くか確認する余裕もない。

■真冬なら湯温も少しは下がり、気持ちよいのだろうがと思いながら、湯船の
中ではカメラに対して涼しい笑顔を作る。撮影のために入っているのか、良泉
を体感するために入っているのか、相湯の中で自問してみた。４値論理的には
どちらもだと結論付ける余裕がまだあった。出た後が大変なので、そこまで。

■服をはだけたまま外に出て、とにもかくにもと外気で涼んでいると、バック
パッカーのような恰好の女性が、この共同浴場に入って行った。温泉好きのマ
ニアらしい。とにかく人気なんだなあと思いつつ、そこを後にする。さすがに
そのまま馬場温泉旅館の湯に続けて入る余裕はなかった。後日に保留しよう。

　　　　　★所在地：〒989-6100 宮城県大崎市鳴子温泉馬場102
　　　　　・源泉名／馬場の湯１号源泉
　　　　　・泉質／ナトリウム-炭酸水素塩泉(低調性中性高温泉)
　　　　　・源泉温度／47.2度
　　　　　・pH／6.9
　　　　　・立ち寄り可能時間／11:00～15:00
　　　　　・料金／300円
　　　　　・湯づかい／源泉掛け流し、内湯１（貸切可）
　　　　　・アクセス／ＪＲ陸羽東線鳴子御殿湯駅より徒歩10分

人生丸ごと湯治日記（６２１）　20190926