620spa

■「とどろき旅館」は全８鬼首温泉郷の入口近くにある、素朴で小さな一軒宿
だ。自然のロータリーのような庭先に車を停めて玄関に入ると、ちょっと銭湯
の番台のような帳場がある。そこで手続きを済ませて、ひっそりとした奥に進
んでいくと、男女別内湯の入り口があり、さらに２方向に廊下は伸びている。

■そこからまっすぐ進むと大きな混浴露天風呂に通じ、左に折れて進むと小さ
な貸切露天風呂がある。つまりこの宿には混浴露天・貸切露天・男女別内湯と
４つあり、全て源泉かけ流しの浴槽だ。混浴はバスタオル巻不可、貸切風呂は
空いていれば利用できる。まずは女別の内湯「堅磐の湯」内湯に入ってみる。

■岩がデコレイトされ、底にはタイルが敷き詰められた四角い浴槽が１つ。２
～３人で一杯になりそうだが、透明なお湯が満たされていた。ずっと昔からあ
った浴室なのだろう。清潔だが湯治場的な風情を感じさせている。鮮度が高く
、その分少し熱めの湯である。長湯はできないが、引き締まるけれど寛げる。

■続いて混浴露天。脱衣所は分かれているが、内部で１つになっているという
作りだ。戸を開けるとまず大きな石としっかり手入れされた庭園風の空間に、
驚かされる。そして明るく清潔で露天風呂には、無色透明・無味無臭の単純泉
が陽光に煌いている。湯はpH8.2で優しい肌触りでとても気に入ってしまった。

■ここは湯温もちょうどよく調整されていて、ただでさえ山の中で静かである
ことこの上ない。心身ともに緩むので、ずっと長居したくなる。無色透明の湯
でバスタオル巻き不可なのでちょっとと女性が尻込むのはもったいない。浴槽
の真ん中に大きな岩が突出しているので、その陰なら安心して入れるのでは。

■さて残るは貸切露天風呂だが、入ろうとしたらこれがとても熱い。折角の美
しい湯船と自然の中なのにと思い、ここは無理をして湯船に浸かり写真だけ取
った。大自然の中で、体はまっ赤っかって、これ何の修行？(笑)。シーズンの
前のウィークディだからかもしれないが、これを独占入浴できちゃう贅沢さ。

■鳴子温泉郷は色々個性の強い温泉が多いので、このように優しくさっぱりし
た湯質の温泉が間に挟まると、どことなくほっとする。思ってもみなかった整
備された庭園風の景観にも気分もリがセットされる感がある。あえて鳴子温泉
郷と一括りにしなくても良いと思うのだが、存続戦略的には重要なのだろう。

　　　　　★所在地：989-6941 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首字轟1 TEL.0229-86-2311
　　　　　　　　　　https://onikoubeonsen.wixsite.com/todoroki
　　　　　・源泉名／新とどろき３号
　　　　　・泉質／単純温泉（低張性弱アルカリ性高温泉）
　　　　　・pH／7.8
　　　　　・入浴料／500円
　　　　　・時間／10:00～14:00 無休
　　　　　・無料駐車場／あり
　　　　　・構成／露天風呂（混浴１、貸１）内湯（女１、男１）
　　　　　　　　　　(※)貸切露天風呂…空いていればいつでも利用可。

人生丸ごと湯治日記（６２０）　20190927