(615)川渡温泉「越後屋旅館」

■遠刈田から仙台市内を迂回して北上し、鳴子温泉郷の東の入り口の川渡温泉
に辿り着いた。昔から自炊可能な湯治宿から大きな旅館までが静かに集まる川
渡温泉は、開湯1000年を数える古湯でもある。かつては「かっけかわたび」で
親しまれてきたが、現今のキャッチコピーは「ふたたびみたびかわたび」だ。



■鳴子は過去2度訪れたけれど、川渡温泉は初めてだった。家庭的で落ち着い
た雰囲気の「越後谷旅館」に素泊まりで3連泊。ここをベースにして、多種多
様な泉質の鳴子温泉郷を攻略しようという目論みである。なおこの宿は単純硫
黄泉(不動の湯)と炭酸水素塩泉(越後の湯)の2種類の源泉を有している。



■単純硫黄泉の不動の湯は、やや緑ががった乳白の笹濁り色の湯だ。これは川
渡温泉特有の色だ。加水なし、数度加温ありでの掛け流し。ぬるめでpHは8.1
と優しいのでつい長湯をしてしまう。天然の保湿成分であるメタケイ酸も、基
準値の50mgを大きく超える120mgの含有量で、肌もみずみずしく滑らかになる。



■越後の湯は源泉100%掛け流しの含硫黄・ナトリウム・炭酸水素塩泉(重曹泉)
で、とろり化粧水のような肌触りだ。美肌効果が高いと言われている。こちらの
メタケイ酸は166mgの含有量だ。源泉温度は53.1℃を、使用位置では43.6℃とわ
ずかに熱めの掛け流しにしている。肌は引き締まり湯上がりも爽快である。



■1日に1度午後7時に男女が交換となるので、両方の泉質を楽しめる。また
宿泊者専用の貸切風呂もある。日帰り入浴・個室休憩もやっており、入浴料は
500円(10時〜16時)だ。宿に自炊施設こそないが、宿泊者にはエスプレッソマ
シーンのセルフサービスで、朝のモーニングコーヒーを飲めるのも有り難い。

     ★所在地:〒989-6711 宮城県大崎市鳴子温泉字川渡24-9
           TEL:0229-84-7005 https://echigoyaryokan.com/
     ・泉質/(1)単純硫黄泉「不動の湯」、数度加温。掛け流し。
         (2)炭酸水素塩泉「越後の湯」「貸切風呂」。100%源泉掛け流し。
     ・ph/(1)8.1、(2)7.6
     ・湯使い/共に内湯メイン浴槽と露天風呂あり。
     ・日帰り入浴/10時〜16時、500円(湯めぐりチケットシール2枚)
     ・アクセス/JR川渡温泉駅より徒歩20分。車で3分。
     ・無料駐車場/20台

人生丸ごと湯治日記(615) 20190925