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■地図を見て､草津から万座に行くには実にくねくね曲がった国道292号線を通
るのだなと認識していたけれど、初めて通ってみて地図と現地は大違いだと改
めて痛感した。草津側から万座に通じる国道 292号線の天狗山ゲートで、係の
職員さんたちが１台１台車を止めて、現状況と走行時の注意喚起をしていた。

■先ずその入り口で係の職員さんたちに、万座三叉路～草津殺生区間は、８時
～17時のみ通行可能であることを知らされる。それまでは草津白根山の火山活
動の影響で、５月18日から通行止めとなっていたという事や、５月31日からは
現在でも警戒レベル２で、日中のみ通行可能だということすら知らなかった。

■草津白根山山頂付近は停車禁止、山頂駐車場も閉鎖。24時間体制で気象庁の
データの危険度が増したり、山頂付近にいる監視員が異常を感じたら通行止め
となる。オープンカー、バイク、自転車は区間内通行不可。少しだけ緊張しつ
つ高山の雪渓も残る荒涼とした風景の中を走り、どんどん高度を上げて行く。

■ハンドルを切り間違えると遥か下方に転落してしまうカーブの連続に、活動
中の草津白根山がまた蠢き出すのではという見えない心圧もあり、万座温泉の
イメージが急激に尋常ではなくなってきた頃、白根山を越えて少し下り行くと
ホテル群があった。車を止めてそこから立ち寄り入浴可能な温泉を検索する。

画像は「ニフティ温泉」より借用。

■ちょうど複数の宿の立ち寄り入浴が終わる間際の時間であり、しかも通行規
制のある 292号線を17時までに抜けて戻らなくてはならないというタイムトラ
イアル要素も加わり、急ぎ足で飛び込んだのは最高所にある「万座ホテル聚楽
」だった。ホテルの関係者も宿泊客と思われる人達もゆっくりした雰囲気だ。

画像は「フォートラベル」より借用。

■あわただしい心の内は押し隠して手続きを済ませ、とにかく浴室に向かう。
日本でいちばん硫黄含有量が多い温泉は万座温泉だそうだ。万座には全部で７
つの温泉宿がある。そして知らなかったが、この万座ホテル聚楽の源泉「法性
の湯」は他と少し成分が異なっていて、硫黄成分が日本一濃厚なのだという。

■総硫黄成分258ml/kgを、加水なしの源泉かけ流しで使用しているが、強酸性
につきレジオネラ菌検査は免除、当然の如く塩素投入などは不要なのである。
他の宿の源泉は温度が高いので加水量も多いので、源泉成分が少し薄まってい
るが、ここの源泉温度はそのまま加温して使用しているので薄まっていない。

■日々自分の地理感覚は白地図に温泉をプロットしてできていると放言してい
たけれど、長野県側からは渋・湯田中方面からも、山田温泉・松川渓谷側から
も万座温泉のすぐ近くまで来ていたのだが、ようやく群馬側からも繋がった気
がする。万座の湯はかなり馴染んだので、帰路もそこそこ急がねばならない。

　　　　　★所在地：〒377-1528 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401 Tel.0279-97-3535
　　　　　http://www.hotel-juraku.co.jp/manza/
　　　　　・源泉名／法性の湯（聚楽占有、奥万座）
　　　　　・泉質／単純硫黄泉（硫化水素型）
　　　　　・泉温／43.7℃
　　　　　・pH／3.2
　　　　　・立ち寄り料金：1000円（公式ＨＰ割引券使用で800円）
　　　　　・入浴時間／12:30～16:00（日帰り）宿泊者24時間

人生丸ごと湯治日記（６０５）　20190530