（593）尾張温泉「湯元別館」

■尾張温泉といえば「尾張温泉東海センター」しか思い浮かばなかったが、愚妻が旅館の「湯元別館」のお湯はとても良いらしいという情報を仕入れてきた。別館というからには本館もあるのだろうと思って調べたら料理旅館だった。取り敢えずその蟹江町の別館に出向いてみた。尾張温泉東海センターのすぐ傍に地味な入り口があった。

■門をくぐって中に入ると、手入れされた木々に囲まれて平屋の離れが多数建っている。同じ敷地内に本館とその温泉があるけれど、そちらは宿泊しないと入れないらしい。立ち寄り入浴に開放してくれているのはこの別館の内湯だけだが、尾張温泉東海センターにも分湯している元湯には変わりない。案内に従って狭い入り口から入る。

　　

■脱衣所から浴室に入ると、こぎれいなタイル張りの床にカランが数個、そして窓際に岩風呂風に設えた浴槽があった。浴槽の右の縁から常にオーバーフロウしているために、床のタイルが赤茶色に変色している。お湯の佇まいが何やら美しい。早速体を洗い流して、キャパ２〜３人程の湯船に浸かる。その容量分見事に湯が溢れ出る。

■湯の色は薄い茶褐色気味の透明で、口に含むとほろ苦みと弱い金気味がする。弱い金気臭のほかに、わずかながら鉱物油臭、そしてアンモニア臭がある。加水されていないので熱めだが、じっとしていると肌に気泡が付着している。この温度なのに炭酸ガスなのか？おかげでツルスベな浴感を味わえた。この床のタイルが改めて美しい。

　　

■管理・案内してくれた人は余程このお湯に自信を持っているのだろう。加水・加温・循環・消毒一切なしと強く主張していたが、確かにお湯の鮮度は素晴らしい。「東海センター」の湯も文句のつけどころがない良湯だが、地下水で温度を下げて用いている。こちらは水で薄めないのでその熱い分新鮮だ。500円で独占満喫素晴らしい。

★所在地：愛知県海部郡蟹江町源氏３丁目59 TEL.0567-96-2552 HPなし。

人生丸ごと湯治日記（５９３）　20090906 re.