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■かつて詩人の河村悟氏が東京三鷹で主催していた「ギャルリ・ウィ」で知り合った
しぃちゃんは、かつて出身地の知多半島を「愛知県の盲腸」と表現していた。私の出
身地の横須賀も「神奈川県の盲腸」と表現される三浦半島にあるので、その比喩のつ
ぼが分かる。その知多半島の先端に、温泉併設の食堂があるというので行ってみた。

■「まるは食堂旅館うめ乃湯」は、名古屋人が大好きなエビフライ（エビフリャーと
発音する）でも有名だ。とにかく大きい「ジャンボエビフライ」は、来訪者のほとん
どが食べるという。すぐ傍の美浜漁港で上がる魚の造りと共に定食で頂く。ビールも
飲んでいい気分になってきたけれど、本来の目的である「うめ乃湯」に向かわねば。

　　

■一旦店を出て別棟の入り口から入り、券売機でチケットを買って早速浴室へ。大き
な内湯と洗い場だけというシンプルな造りだ。海側に大きく窓ガラスが張ってあり、
伊勢湾の眺望が良さそうだがこの時はすでに夜。暗い海が広がっていた。黄色がかっ
た灰緑色のナトリウム－塩化物強塩泉の湯は濃く、透明度も10?15cmほどしかない。

■源泉名は「南知多天然温泉まるはうめ乃湯」。「うめ」という名は、一代でこの食
堂や温泉を立派なものに気付き上げた名物お婆さん相川うめさんからきている(※)。
簡易成分分析表によれば、陽イオンはナトリウムイオン9280mg、カルシウムイオン
444mgなど、陰イオンは塩素イオン15500mgなどで、成分総計26000mg／kgと超濃い。

　　
　画像は「温泉おやじの湯巡り日記」 http://onsenoyazi.blog81.fc2.com/ より。お湯の色に注目。

■湧出時の泉温は31.9℃だから加温して循環しているが加水はなし。塩素消毒をして
いるが、塩素臭はなく、むしろ海のにおいがする。強塩泉なのでよく温まる。長湯は
できない。湯上り後は少しべたつき感があるが、時間が経つとすべすべしてくる。わ
ざわざ半島の先まで来たら、食事と温泉の両方味わうから上手い抱き合わせ商売だ。

★所在地：愛知県知多郡南知多町豊浜字峠８ TEL.0569-65-1315

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(※)2008年に享年98歳で他界。1911年生まれ。

人生丸ごと湯治日記（５７８）　20020929 re.