（566）東鷲宮「百観音温泉」

東鷲宮百観音温泉の外観。地主さんがオーナーで、温泉掘削は長年の夢だったとのこと。

■前日のドリスペ話が好評だったと思い込む幸せ者として目が覚めると、そこは２次
会で帰りきれなくなった私が投宿した埼玉は西川口のゆうご亭だった。同宿した冨田
さんはすでに布団を畳んで出社すべく退出していた。そこで私はこれから自分への褒
美として湯質の良い温泉につかるというにんじん獲得プランを実行することにした。

■ＪＲ川口駅から京浜東北線で大宮まで北上し、東北線に乗り換えて東鷲宮という駅
で下車。そこからわずか徒歩３分で「東鷲宮百観音温泉」という日帰り温泉施設に到
達した。ここは以前より温泉雑誌の記事で目を着けていた、地下1500メートルからメ
タンガスの圧力によって自噴している、100％完全掛け流しの立ち寄り温泉施設だ。

　　
　　　　　　　　　外の露天風呂ので人がいない画像がなかったので最近のＨＰより借用。

■その湧出量は毎分4800リットル（パンフレットでは2240リットル）とまさに桁外れ
だ。掘削による温泉ではなんと日本一の湯量だとのこと。当然のことながらこれだけ
の湯量であればお金をかけて循環する必要は全くない。加水加温一切なしの完全放流
式、つまり完全掛け流しだ。もったいないほどドバドバと湯船の縁から溢れている。

　　

■最初に入る前に体にかぶる掛け湯も掛け流しで、使わなくてもどんどん捨てられて
いっている。男女それぞれに内風呂が２つ外に露天が３つあるのだが、その外と内の
１つずつが熱湯になっている。そこに肩までつかってじっとしているとそれなりに我
慢できるのだが、人が入ってきたり自分が動いたりするとこれが本当にとても熱い。

■ここの温泉は弱アルカリ性なのだが、ナトリウムイオンとカルシウムイオンが多量
に含まれていて美肌効果が高い。皮膚表面で皮質のカルボンが反応して皮膚表面にカ
ルボン酸ナトリウム、カルシウム塩ができるからと考えられているが、表皮に油膜で
も張ったかのようにお湯が弾かれて滑り落ちてしまう。いわゆる美人の湯系なのだ。

　　
　　　　手前の湯は少しぬる目だが、画面中央奥の少し高い処にある湯船はとても高温だ。

■日本の３大美人の湯といわれている群馬の川中温泉、和歌山の竜神温泉、島根の湯
の川温泉よりも泉質的には多いらしい。しかもその緑茶褐色に濁る湯の成分は地中に
15万年眠っていた化石海水で、成分統計は18320mgと大変強力だ。舐めてみるととて
もしょっぱい。湯温は湧出口で57.3℃と熱い。湧出量が多いので熱湯のままになる。

　　
　その熱めの露天風呂は湯舟が深めで、すぐに肌が真っ赤になる。塩化ナトリウムが濃いのでしょっぱい。

■できてからそう時が経っていないので、ここの施設はまだ充実はしていない。成分
濃度も濃く湯温も高いので湯冷めはしないのだが、露天風呂の周りのいくつかの植物
が造花なのにはちょっと興ざめする。隣のマンションから見えるのでと頭上にスライ
ド式のネットが張られているのも残念だ。まあお湯さえ良ければ子細な問題だが。

■この温泉の名前の由来にもなっている観音堂が入り口の横で建て直し中だったが、
そのうちここももっと立派な施設になっていくに違いない。駅から徒歩３分という立
地条件に加え、なんと言っても日本温泉協会の温泉審査機構が調査・認定する天然温
泉表示看板でも全て適正マークの満点評価なのだから。今後の将来にも期待したい。

★所在地：埼玉県久喜市西大輪２-19-１ TEL.0480-59-4126 http://www.100kannon.com/

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(※)2006年５月27日に露天風呂増設を施工。さらに2014年２月22日にリニュアルオープンした。地震か何かで湧出量が減ったのか、湯の透明度がかなり高くなってしまっているらしい。また「源泉かけ流し・加水・加温一切なし」の看板が消えているとの報告もある。

人生丸ごと湯治日記（５６６）　20040419 re.