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■ネットで近場にある尾張温泉が豊富な湯量で100％掛け流しであることを知り、早速車で行ってみることにした。尾張温泉は愛知県海部郡の蟹江町にあり、水郷情緒のある佐屋川沿いにある。日帰り温泉施設「尾張温泉・東海センター」はすぐに見つかった。ここは名古屋に近く交通アクセスもよいのでグループ・団体客が多いようだ。

■ここの入場料は昼間に行なわれている舞踊や歌謡ショー等も込みで1800円（大人）になっている。しかしその連日行われているイベントが終わる午後３時以降はいきなり１／３の大人600円になるという、ちょっと変わった料金体系である。もちろん私は演芸ホールでのショーを見るつもりはないので、到着したのは４時過ぎである。

　　

■大きな建物の中にはいってみてびっくり。広いフロアーが土産物売り場になっている。２階には飲食店がちょっとした商店街のように並んでいる。しかしショーが終わって客が退けた後なので、ほとんどが店じまいしていた。自動券売機で入浴券を買い、ゲートバーを押し回して入場すると、右側に畳十数畳ほどの狭い休憩所があった。

■使用後にお金が戻ってくる脱衣所のコインロッカーで、使用するコインが100円玉でなく10円玉だった。何か妙に庶民的な感じがした。脱衣所からドアを開けて内湯に入ると、自然石をふんだんに使ったレイアウトの温泉池？屋根のある庭園岩風呂だ。大きな岩風呂が湯気の向こうに幾つも広がっていた。ここの湯量は半端ではない。

　　
　　　　　　　　　上の２枚の画像は「東海センター」のＨＰより借用、加工。　　

■独自源泉が６本あり、湧出総量は毎分1250リットルという論外の贅沢さだ。50℃の１～４号泉と28℃の５・６号泉を混ぜ合わせることで、ちょうどいい湯加減になっている。加温・加水・循環ろ過・入浴剤添加全てなし。炭酸水素塩含有の薄い黄褐色を帯びた透明な単純泉で、浴槽に入るとトロトロ感があり、上った後はスベスベ感だ。

■投入した分だけ湯船のへりからお湯が流れ出していているので、あちこちの床がお湯浸しになっている。すぐ隣にある湯船に行くのでも、その湯の川を渡ることになる。大きな内風呂は数えて見れば全部で３つ。時間的にまだ夕刻の混み時間でないからだろうか、客は15人ほど入っているのだが、この広さの中ではガラガラ状態である。

　　
　　　露天風呂。「東海温泉馬鹿一代目」 http://www.geocities.jp/onsenbaka1/ より借用。

■隅の方に落としっぱなしの打たせ湯があり、その２本ずつがちょうど肩幅ほどの間隔で落ちていた。体を洗うための湯やシャワーも全て温泉だと謳っているが、この打たせ湯の湯量も多いので肩にずんと来て心地よい。ガラスドアの外に出るとそこそこ細長く広い露天風呂があるのだが、内風呂が広いために小さく感じてしまうほどだ。

■係りの人が隅々まで巡回しては清掃や備品のチェックをしているのが好感を持てた。私の隣にいた客が上がりしな同僚に向かって、「宴会は７時からだから忘れないように」と言っていた。ここには尾張温泉観光ホテルも併設されていて宿泊も可能で、団体さんの宴会もよくあるらしい。（…現在は廃業。温泉利用の新設病院が建つ。）

■「愛知の尾張、三重の榊原、岐阜の下呂」とも言うらしく、日本名湯百選に入ったこともあるとのこと。全体の施設は少し古いところもあるが、600円で贅沢は言えまい。近場過ぎて期待していなかったが、この温泉はかなりアタリである。この温泉に加えて施設全体の雰囲気も含めて、友人達にも見せたいような不思議な温泉である。

★所在地：愛知県海部郡蟹江町蟹江新田佐屋川西97 0567-95-3161
http://owarionsen.co.jp/

人生丸ごと湯治日記（５６１）　20040110 re.