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御在所岳ロープウェイの中から湯の峰温泉を見る。頂上は霧で馬鹿みたいに寒かった。

■鈴鹿山脈の最高峰御在所岳山頂からふもとのロープウェイ乗り場に降りると、バスやタクシーのターミナル周辺には少なからずの客が行き来していた。実は以前来た時は人影もまばらだったので、私は勝手にこの急斜面にある温泉街の行く末を心配していたのだ。しかし喜ばしいことにそんなことはひとりよがりの大きなお世話だった。

　　
　　　　　　　画像は「雑学の小部屋」 http://a-omori.sakura.ne.jp より借用。

■山麓の温泉街を抜けて、近鉄湯の山温泉駅の方に車を走らせた。駅から500ｍほど手前に保健福祉センター「ヘルシーパル湯の山」という看板が輝いていたので、とにかく温まるために入ってみた。ここには温泉入浴施設としては、ジェットバスや気泡湯などがある内風呂の大浴場と、ごつごつした花崗岩で囲まれた露天風呂があった。

■温泉場に通じる通路脇になぜ各種運動器具を備えたトレーニングルームがあるのかなと思ったが、ここは温泉を利用した健康回復と増進というコンセプトを持つ公共の温泉保養施設だった。安く利用できる保健福祉施設だからだろうか、客の数が多いのであまりゆっくり湯を味わえなかったが、まあとにかく冷えた体は十分温まった。

　　
　　　　　　画像は「Booking.com」 http://www.booking.com/hotel/ より借用。

■ここの湯質はアルカリ性単純泉で、源泉は湯の山温泉よりさらに麓にある新湯の山温泉で、湧出時の温度は45.6℃。ちなみに料金は525円である。ところでこの湯の峰温泉の歴史は古く、養老２年(718年）浄薫和尚が薬師如来のお告げにより発見されたと伝えられ、傷を負った鹿が体を癒していたことから｢鹿の湯」とも呼ばれている。

　　
　　　　　　　暗くなってからの露天風呂。フラッシュをたくとちょっと怖い雰囲気に。

■その鹿だが、今でも山中には天然記念物の日本カモシカが生息していて、運がよければロープウェイからもその姿が視認できるという。今日は御在所岳山頂まで行き、体の芯まで冷えてから、温泉で芯まで温まった。帰宅途中に立ち寄った日本料理店の料理がリーズナブルで美味しかったのもあり、かなり満足して帰宅した私であった。

★所在地：三重県三重郡菰野町大字菰野字江田8474-177 TEL.0593-92-2233

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(※)住所も電話番号も同じで、現在の名前は「湯の山温泉ホテルウェルネス鈴鹿路」に変わっている。
(※)ところでごれは後日、中日新聞の夕刊コラムで知ったことだが、あの渥美清の「フーテンの寅」第３作の舞台はここ湯の山温泉である。970年（昭和45年）の作品というから、今日この地にいた人でも多くの人が知らなかったのではないのではなかろうか。

人生丸ごと湯治日記（５５７）　20031116 re.