（506）北海道夕張郡「ユンニの湯」

■川端でのるしえる兄ぃの鑑定も終わり、ヒラリオン・ネットワークが宿泊を予約してくれていた由仁町伏見の「ユンニの湯」へ、三部さん一家と共にパジェロ２台を連ねて移動する。ここは札幌から車で１時間程にあり、日帰り入浴もできるので、地元の人も利用する宿泊施設だ。全館ログハウス風の建物で、宿泊棟も木の香りがする。

　　

■まずは食堂で夕食。札幌から友人のしぃさんが来て、るしえる兄ぃと占星術も含めたおたく的話をし始めたので、私は先行して温泉に入る。ここには露天風呂・サウナ・ジャグジー・ハーブ湯など全てが揃っている。湯の色は濃い茶褐色でとろみのあるコーヒーのようだ。炭酸水素塩・塩化物泉で無臭。見た目ほどは味が塩っぱくない。

　　

■男湯の露天風呂には木造りの屋根がついているので、台風の余波であろう激しい雨にもさほど悩まされずに温まることができた。自分の体を伸ばして横たわっても、その湯の色が濃いので首から下はほとんど見えない。体の温まりが早いのか、外に出てものぼせが抜けない。あまり長いこと入っていないほうがよいのかもしれない。

　　

■また体についた湯を洗い流してから温泉を出ないと、数分してから体の表面にシャツ用のノリ付けをされたかのように、皮膚がぱりぱりとひきつるような感覚になるので、注意が必要だろう。そんなことを考えながら部屋に戻る。るしえる兄ぃはまだ温泉らしい。明日以降の移動予定をたてるために、台風情報を見ようとＴＶをつけた。

　　

■午後10時半頃だったが、ニュース画像でニューヨークの世界貿易センタービルから特撮映画のように多量の煙が上がっていた。そして２機目の追突画像ですというコメントと共に大きな飛行機が、さらに突き刺さる画像が映し出される。ツインビルの１棟に１機ずつ。どのような特撮画像の映画より迫力のある画像が繰り返し流される。

■各局のニュースキャスターが、その背景や現実に何が起こっているのかなどは理解できないまま、これまでの事実と公表された情報を繰り返している。さらにその後、３機目の旅客機がアメリカ国防総省に突っ込んだというニュースが追い討ちをかける。離陸したての民間旅客機を乗っ取り、乗客を巻き込んで神風的特攻をしたようだ。

■後に貿易センタービルは２棟とも跡形もなく自己倒壊する。巻きこまれる多数の一般人と、救助活動に当たった消防士と警官たちに多数の犠牲者が出ているようだ。何かとてつもないことが始まるような予感…これは誰もがそれなりに感じているのではないだろうか。反転した戦争…同時多発のテロリズム。何と何が反転しているのか。

　　

■物理的・力学的な画像からは、ただ強烈なインパクトが伝わってきて、今までの世界的常識が通用しなくなってしまったという感覚を想起させられたが、その後に現地の人たちのさまざまなインタビューやコメントの画面を見るにつけ、人間としての悲しみや苦痛や行く先のない怒りなどが共振として伝わって来る。何かが露見した日。

■そして一方ではそのような動揺とショックを体内に感じながら、もう一方ではくつろいで温泉の中にまた浸かっている自分を思うにつけ、世界と自分、自分と世界。自分の中の世界と、世界の中の自分。世界的認識と個人的現状の多重性を感じている。長い長い１日だった。そしてそれでも明日からもまだ北海道の旅は続くのである。

（※）9.11に関しては、その勃発直後から様々な論や説が頻出したが、ようやく現在そのとんでもない真実と陰謀が白日の下に晒されようとしている。

★所在地：北海道夕張郡由仁町伏見122番地　TEL.0123-83-3800　http://www.yunni-spa.com/

人生丸ごと湯治日記（５０６）　20010911 re.