■オンネトー温泉は阿寒湖から車で15分程度の山間の温泉地で、阿寒国立公園の雌阿
寒岳中腹にある。景福は雌阿寒岳登山口から200m程のところにある温泉民宿で、外観
は山小屋風だ。ここには男女専用の内湯と混浴露天風呂の全部で3つの浴槽があり、
全て源泉かけ流しになっている。内湯は木造の浴室で湯治場のような雰囲気だ。
■源泉は男性用内湯の湯船の底に敷いてある玉砂利から自然湧出している。いわゆる
足元湧出温泉だ。泉質は含硫黄-マグネシウム・カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩
化物泉で、新鮮そのものなので無色透明で、硫黄の匂いがする。この源泉が湯底でつ
ながっている女性用内湯にも流れていき、さらには混浴露天風呂にも送られている。
■硫黄臭の漂う混浴露天風呂は思ったより広くて立派。入り口は男女別で、途中まで
木でできた仕切りがあるが、中ではひとつに繋がっている。お湯は時間の経過と共に
空気に多く触れて、美しい青白濁色になっている。pHは5.8。すぐ裏は緑色が美しい
山腹で、その開放感がまた特別だ。41℃の源泉をそのまま流していて長湯向きだ。
■内湯の足元湧出の湯の鮮度は素晴らしいの一言で、それに比べると露天の湯は少し
鮮度が落ちてるわけだが、露天には湯口が複数個所あり、そこから透明で新鮮なお湯
が注がれている。視覚的に青白濁している美しい湯に身を沈める経験そのものがまた
、温泉は5感で味わうものだという事実を痛感させてくれる。舐めた湯は苦かった。
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■追記:2014年10月、入浴中の客が硫化水素ガス中毒で意識不明の重体になるという
事故が怒り、現在は自主休業中の様子。過去にも2件の死亡事故があったらしい。硫
化水素ガスは空気よりも重いので、足元湧出の湯舟では水面近くにガスが溜まりやす
く、事故につながりやすいということでもあろう。非常に良質な温泉なので残念だ。
★所在地:北海道足寄郡足寄町茂足寄(※)2014年秋から休業中。
人生丸ごと湯治日記(502) 20010906
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