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■１■頓原天然炭酸温泉「ラムネ銀泉」は平成19年にオープンした日帰り温泉
施設で、居宅介護支援事業所の「あゆみの杜」に併設されている。広い駐車ス
ペースと看板がなければ、平屋建ての普通の民家と区別が付かないだろう。玄
関の戸を勝手に開けて、かなり奥まで進むとようやく広い大浴場受付がある。

■２■脱衣所を経て浴室に入ると、右側にシャワー付カラン３人分の洗い場が
あり、左の窓側に６人用サイズの浴槽がある。その中には客が５人、薄濁りの
湯の中で、静かに無言のまま身を沈めている。ぺこりと挨拶をするとゆっくり
動いてスペースを作ってくれた。湯は加温されているのですんなり浸かれる。

画像は「飯南さとまにあ」より借用。

■３■透明度の高い薄褐色の湯が掛け流されており、オーバーフローで少しず
つ流れ出て行く。源泉は鉄系の臭いがあり、炭酸味や塩味などはわずか。癖は
あまりない。普通の目に見える泡付き感覚はほとんど無く、特徴的な浴感も特
にない。浸透圧の関係からだろう、ゆっくり体にしみこんでくる感じがある。

■４■炭酸ガスを多く含んでいるのに泡が目立たないというのは、長湯温泉に
下る道の手前の高台にあった「水神之森温泉」を思い出させた。源泉が遊離炭
酸水素イオンを3260mg／kgも含むのに､泡粒の大きさが長湯温泉の１／100スケ
ールなので湯口近くでも泡立たず、加温なしでもほとんど目に見えなかった。

貸切風呂の内部。画像４は「しまね観光ナビ」より借用。

■５■ここの湯は二酸化炭素と炭酸水素塩泉という、性質が相反する要素を高
濃度に併せ持つ珍しい温泉だ。具体的に言うと炭酸水素イオンと遊離二酸化炭
素を、共に1000mg以上含んでいる。明治14年にドイツの「萬国水産博覧会」に
出品した際「世界希有の銀泉なり」と称賛され褒賞を受賞したと記録がある。

■６■二酸化炭素が一定以上含まれている炭酸泉は、浴槽の中ではひんやり感
がありながら炭酸ガスが血行を促進し低温でも入浴後はポカポカ温かくなる。
一方炭酸水素イオンが一定以上溶けている炭酸水素塩泉は、入浴後に爽快感が
あり「美肌の湯」とも呼ばれている。湯温のわりに湯上りポカポカが残った。

■７■玄関近くの休憩所に「ラムネ温泉の湯音変化」の説明と画像があった。
湯船に源泉投入後２日程度は透明を保ち、その後透明なグリーンを経て４～５
日程は黄緑褐色に、１週間程は黄色に、そしてそれ以降はオレンジ色に変わる
と書いてあった。湯船の同じ湯なのか、湧出する温泉自体の色が変わるのか？

■８■自然に毎日変わるサイクルがある？源泉からの距離が離れているので、
一度タンクに溜めた温泉を順次かけ流している？その都度この鉄分が多い14.6
℃の炭酸水素塩泉を41℃程に加温なのだろうか？ここだけの入浴であれば、何
時間も過ごすことができるだろうが、謎のまま次の温泉に向かうのであった。

　　　　　★所在地：〒690-3207 島根県飯石郡飯南町頓原1070 Tel.0854(72)0880
　　　　　　　　　　　　https://www.ramune-ginsen.com/
　　　　　・泉質／含二酸化炭素-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(泉掛け流し)
　　　　　・源泉温度／14.6℃、使用位置温度／38～40度（加温）
　　　　　・営業時間／11:00～20:00（閉館）毎週木曜日定　
　　　　　・駐車場／あり 20台（無料）
　　　　　・入浴料・500円、貸切風呂（１時間）＝1900円
　　　　　・アクセス／松江から松江道・吉田掛合IC経由国道54号線で約1時間10分

人生丸ごと湯治日記（４８６）　2018.11.13 Thursday