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■１■岩井温泉は約1300年の歴史がある山陰地方で最古の温泉地だ。現在では旅館が３
軒と共同浴場１軒が寄り添うように建ち並ぶ静かな温泉地で、国指定の国民保養温泉に
もなっている。江戸時代創業の３軒の老舗宿は「岩井屋」「明石家」「花屋旅館」で、
いずれも旧道に面して向かい合って建っており、いずれも立ち寄りが入浴可能である。

■２■今日立ち寄りさせてもらう「明石家」は、1615年創業だと言うから、江戸時代の
初めから400年以上もの歴史がある老舗中の老舗である和風旅館だ。男性用内湯､女性用内湯、有料の貸切露天風呂が２つ、そして混浴露天風呂と全部で５つの湯船があり、全
て源泉かけ流しとなっている。男性用内湯は通路の手前に、女性用はさらに奥にある。

■３■そしてその途中に50年以上前に造られた鳥取県最古の露天風呂に向かう通路があ
る。基本的にバスタオル巻きはＮＧなのだが、皆で入るために宿の主に尋ねたら、見て
見ないふりをしていますと言ってくれた。露天風呂の脱衣所は男女共用だが、落ち着い
た風情がある。岩風呂づくり仕様の露天風呂は、日本庭園の中の池のような佇まいだ。

■４■混浴の緊張感を少しでも和らげるかのように浴槽の中に中に丸い置き石がある。
一部に屋根掛けがしてあるので、雨でも雪でも露天の風情が楽しめる。お湯は透明で少
しとろみを感じる。温度もちょうど心地よい。まわりが日本庭園のように木立に囲まれ
ていて長居したくなる雰囲気だ。実に寛げる。湯を味わいつつ体を伸ばし目を閉じる。

■５■突然みんなが痒いと言いだした。夕刻の蚊の食事タイムなのか。揃って蚊が舞い
始めている。頭だけ出して湯に浸かっていても、顔を刺されそうになる。しかたなく慌
てて脱衣所に上がり、蚊に食われないよう動きながら服を着て、急ぎ足で室内の通路に
逃げた。よもや蚊に追い立てられるとは思わなかったけれど、まだ内湯が残っている。

■５■体の温まりが引かないまま内湯に入った。落ち着いた感じの脱衣所から階段を３
段登って浴室に入る。男性専用の内湯は屋根の形が８角形をしており、壁面の３／８面
が全面のガラス窓なのでとても明るい。浴槽の床はしっかりした石畳であり、浴槽内は
底まで木造なので感触が良い。掛け流された湯が静かに溢れ出す浴槽に身を浸す至福。

　　　　　★所在地：鳥取県岩美郡岩美町岩井536 TEL.0857-72-1515 http://www.akashiya.to/
　　　　　・泉質／カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉
　　　　　・pH／7.6
　　　　　・日帰り入浴時間／14:00～22:00（不定休）
　　　　　・入浴料金／750円
　　　　　・入浴施設／内湯男女別各１　混浴露天風呂１(女性タイム有り)

人生丸ごと湯治日記（４６８）　2018.09.18 Tuesday