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■天降(あもり)川沿いの温泉（日の出温泉、新川温泉、安楽温泉、妙見温泉など）は、湯量豊富でその安い値段と相まって、どこの施設や宿の湯につかっても満足度は高いのだが、その泉質は基本的に炭酸水素塩泉だ。それならばいっそ日本一古い露天風呂とも言われる野湯の「和気湯」に入ろうと思った。

　　　　　　　

■実はこの「和気の湯」は2003年の２月に１度訪れている。前回は徒歩で行ったのだが、今回は車でアプローチした。しかし実際に再訪してみると、記憶の中の距離感はずっと短縮されていた。もっと近いと思っていたが遠かった。

http://metatron.la.coocan.jp/zone-25/551spa.htm

■個人所有の温泉なのだが、好意から一般にも開放してくれているのだ。道の入り口にある田口旅館の協力などで、和気の湯のすぐ近くに駐車場まで整備されているが、ウェブサイトによると2012年の河川増水によって「湯筋」が変わってしまい、湧出量が減少し、湯温も下がってしまっているのだと言う。

　　

■妙見温泉観光協会のサイトでは入浴には適していないとなっていたが、そのことを忘れて訪れてみると、周囲にあった目隠しの敷居塀等はなくなり、湯面には落ち葉と湯の成分が酸化したものが浮いていた。しかしせっかく来たのだからとそれらを取り除いて入湯した。入ってしまえばぬるめの良い温泉だ。

　　

■以前にはすぐそばの川にも湧出口があって湯けむりが上がっていたのだが、前日の降雨もあって川の水が混ざり、その兆候もなかった。ただあちこちから和気の湯同様に絶えずポコポコと泡が上がっているので、湧出していることは間違いなさそうだ。のどかな自然の中での気兼ねない湯あみ。贅沢だ。

■歴史ある温泉でもいつ途絶するかわからないという現実を踏まえた上で、眼前の自然の恵みに感謝しつつ、この身を浸したいものだ。

　　　　　★所在地：鹿児島県霧島市牧園町下中津川
　　　　　　　・源泉名／和気湯
　　　　　　　・泉質炭酸水素塩泉
　　　　　　　・ pH 6.2 湧出量／不明（自噴）足元からも湧出。
　　　　　　　・源泉温度／39～40度らしいが不明。
　　　　　　　・アクセス JR日豊本線　隼人駅下車、タクシー20分
　　　　　　　・お風呂の種類と数／混浴露天１。基本的に24時間だが常識的な時間に入浴のこと。

人生丸ごと湯治日記（４２９）　2018.04.19 Thursday