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■１■わいた温泉郷「豊礼の湯」に再訪。蒸し器と食堂の使用も自由で、平日素泊まり
4000円。実はこのわいた温泉郷の中にある、「旅館山翠」の多数ある魅力的な露天風呂
に、翌日早々に立ち寄るつもりでここに宿を定めたのだった。湯は独特の、体に染み入
る青白い濁り湯。山のあちこちから吹き上がる水蒸気が十六夜月をおぼろにしていた。

■２■前回の訪問時同様に、ここでも別府鉄輪の地獄蒸しのように、蒸気で熱する料理
を味わう。メインはキャベツ丸々と豚肉を蒸して食した。殆ど味付けなしでも温泉成分
等で結構美味しい。宿泊者専用の食堂で、仲良しグループらしい中年のおじさんおばさ
ん達が楽しそうにその料理を囲んで食事していた。ちょっとした湯治場的な雰囲気だ。

■３■この青白い色のお湯はこの辺りでもここ豊礼の湯だけだ。周囲の温泉よりメタケ
イ酸がかなり多く含まれている。大浴槽の湯口からは、毎分 300リットルの湯が惜しむ
ことなく投入されている。100℃ 近い源泉を加水して薄めることなく、順次４槽のタン
クに入れて温度を下げているとのことだ。浴槽からは遠くに冬ざれた涌蓋山も見える。

■４■ここには宿泊棟とは別の棟に、九州独特の24時間利用できるコインタイマー式の
家族風呂が内湯と露天風呂各６室ある。その都度宿の世のように乳白色やサファイアブ
ルーに変色していく心地よい湯が投入される。この辺りは山の上なのでかなり冷える。
しかし部屋は蒸気暖房で夜中でも暖かかった。ただし夜の門限は午後11時までである。

■５■翌朝は昨晩の残りをまた温めて食した。野菜と肉から出たスープが美味しい。早
朝は月が見えたのに、朝風呂に入っていると雪が降り始めてきた。山の上だからそれも
ありだろうが、あちこちから上がる水蒸気と吹雪のような雪｡100℃と０℃で辺りは真っ
白だ。浴衣のまんま外でその水の３態を撮影していたら、そのまま凍えそうになった。

■６■翌朝「豊礼の湯」を出て、すぐ近くにあるはげの湯温泉の「旅館山翠」に向かっ
たのだが、大きな雪がどんどん降って来た。道の真ん中や石垣の中からも煙幕のように
蒸気が噴き出ている。いざ立ち寄り入浴を乞うべく山翠の玄関に入ると、荒れる天気の
せいかこの日は立ち寄りはお休みだった。頭を切り替えて、急遽筋湯温泉に向かった。

　　　　　　　　★所在地：熊本県阿蘇郡小国町西里2917　http://houreinoyuyado.com/

人生丸ごと湯治日記（４０４）　2017.12.04 Monday