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■１■大人数で黒川温泉や九重の温泉に行く時には、いつも通過してしまって歯がゆい
思いをしながらあこがれ続けていた川底温泉「蛍川荘」に、今回ようやく入ることがで
きた。ここは菅原道真公ゆかりの温泉で、千百年以上もの歴史がある名湯だ。夏は蛍が
舞うという町田川に架かる橋を渡って、左に曲がると立ち寄り入浴の受け付けがある。

　　　　　　　

■２■元々旅館だったのだが、最近はずっと日帰り入浴施設になっていた。しかし今回
の訪問時、元々旅館だった建物が工事中だった。ひょっとしてまた旅館を再開してくれ
るのかもしれないと、密やかに心躍らした。写真などで見慣れていた、ここの大きな内
湯は上から熱目、普通、ぬる目の湯３つの浴槽に分かれているが、混浴の温泉だった。

　　　　　　　

■３■しかしつい最近改装したらしく、江戸時代に作られたという３段の浴槽も現在は
板で仕切りがなされていて、脱衣所も石で囲まれた浴室も男湯と女湯に分かれていた。
ただし混み具合や客によっては、女将の判断で間敷戸を開放して混浴仕様にもしてくれ
る。ぬる目の方は湧水で加水されているが、気温や川の水量でも温度は変わるという。

　　　　　　　

■４■元々３つだった浴槽は、それぞれお湯の効能も異なるという。一番手前のぬる湯
浴槽は板壁によって縦に２つに分断されてており、２つ目は女性用、３つ目の熱湯の浴
槽が普段は男性用とされているようだ。奥のあつ湯の壁際には打たせ湯が２本ある。各
浴槽は熱めの透明度の高い単純泉が、湯船の底から自噴するいわゆる足元湧出である。

　　

■５■浴槽の底には河原の丸石が敷き詰められてれていて、清流のような透明度の湯が
沸きだしている。昔ならがの３段の広い浴室ではなくなったけれど、高い窓からのみの
採光や、常に濡れている床石の黒さなど、温泉好きの心にはたまらない雰囲気が残され
ている。旅館部の再開が求められているのが、本当に良く分かる。ぜひまた訪れたい。

　　　　　　　　★所在地：大分県玖珠郡九重町菅原1453 TEL.0973-78-8234
　　　　　　　　　・泉質／単純温泉　86℃
　　　　　　　　　・湧出量／180リットル／分
　　　　　　　　　・ｐH／7.03
　　　　　　　　　・日帰り入浴時間／不明、予約不要
　　　　　　　　　・定休日／無休
　　　　　　　　　・入浴料金／大人500円
　　　　　　　　　・駐車場／あり20台
　　　　　　　　　・宿泊／不可

人生丸ごと湯治日記（４０２）　2017.12.04 Monday