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■１■福島の奥座敷と呼ばれる飯坂温泉は、既に見たように２世紀頃からの歴
史がある絶えることなき名湯だが、この福島の奥座である飯坂温泉のそのまた
奥座敷的な位置関係にある穴原温泉は、宿の浴室の外に張られている文章によ
ると、天保の頃、出羽三山の最高位修験者の万蔵が発見した事になっている。

■２■天保年間と言えば1831年～1845年だから、今から170～180年程前の江戸
時代末期から、湧き続けているということだ。今夜の宿の「旬樹庵いづみや」
がある摺上(すりかみ)川流域の穴原温泉を大きく括って飯坂温泉に含めたり、
奥飯坂温泉と言ったりもするようだが、ある意味明確に異なるとも言えよう。

■３■午後７時過ぎの飛び込みで、しかも素泊まりの３人組なのに、窓から摺
上川の渓流が良く見える大きな角部屋で、しかもこの宿の温泉浴場から最も近
い大きな部屋で、１人約3700円。ビジネスホテルより安いくらいの値段だ。し
かし宿泊客が殆どいないようだった。つい勝手に宿の経営を心配してしまう。

■４■ＨＰには源泉掛け流しと書いてあるが、これだけ大きな宿で数組ほどの
宿泊客しかないからだろうか、少なくともこの日は掛け流しではなく、いつも
の湯面であろう変色した浴槽壁の岩の線より10cmほど下に湯面があった。まあ
当方は宿泊できただけでも充分なので一切文句はない。頑張っていると思う。

■５■掛け流しではなくても、少しとろみのある湯は朝の光の中で心地よかっ
た。源泉は穴原温泉泉屋で、泉質はアルカリ性単純温泉だ。なお今回利用はし
なかったが、夜の21:00～21:45に自分で作る無料のぶっかけちゃんこうどんの
サービスがあった。普段は無料の中華風朝かゆの無料サービスもあるようだ。

　　　★所在地：〒960-0211 福島県福島市飯坂町湯野字湯尻15　TEL.024-542-5167
　　　　　　　　　　http://www.anabaraonsen-idumiya.jp/

人生丸ごと湯治日記（３８５）　2017.09.15 Friday