（243）上諏訪温泉「ホテル紅や」

■前日で名古屋の個展が終了し、真っ直ぐ帰るのではなく、途中で諏訪に寄り道をして温泉にという旅に同行する。特に急ぐたびでもないし、青春18切符を買って２人で鈍行旅としゃれ込んだ。途中、話に夢中になっていると、切り離されて逆戻りしたり、いわゆるバケツをひっくり返したような部分的豪雨を味わったりすることになった。（上の画像は諏訪湖で先ず１枚。）

　　　

■思ったより長く電車旅を楽しんだ後、ようやく上諏訪に到着して、ましまし氏の諏訪の定宿である「ホテル紅や」方面に歩いていくと、猫と遭遇。猫と出会うと100％良い旅であると言う私の思い込み。そして先ずは記念撮影をば。諏訪に歓迎されているという実感。これもましまし氏といっしょだから、さらにリアル感が増す。

　　　

つつがなくチェックイン。花火大会のあるオンシーズンで、最後に残っていた部屋も思ったより広めのツインだし、ましまし氏が何度も宿泊しているので吹く座名館内も迷子になることなく把握できた。何もあわてず、ゆっくり、しっくり。ひんやりした空気が軽く心地よい。

　　　

■展望風呂に入って缶ビールをキュッとやりながら、階下に広がる諏訪湖の夕暮れを見る。話はさまざまな世界観が胎盤というキーワードと概念を解することで、新しく情緒や愛情と共に、より深く捉えなおすことができるということの確認のしあい。胎盤のお世話にならなかった人間はいない。

　　　

■日が暮れて、夜はちかくにある湖畔のお店『ＣＬＡＳＵＷＡ』で花火大会をゆったり満喫。お店の人が花火のために店内を真っ暗にしてくれたのも粋だった。ここの野菜サラダバイキングは絶品。地元の野菜尽くしだが、これだけでお腹が大満足。２人でパスタとステーキを１つずつ頼んだけれど、ボリュームたっぷりでこれだけで満腹。ワインも１本頼みました。

　　　

■朝の６時、目が覚めて60秒以内に、上諏訪温泉・ホテル紅やの露天風呂を頂きました。まだ頭も顔も寝起きでむくんでる（笑）。独占状態はいつでもうれしい。昨晩の地上14階にある展望風呂もまた、広々とした窓から暮れなずみゆむ諏訪湖を見下ろせる絶好のロケーションで素晴らしかった。湯質追求ではなく周囲とのトータルな温泉という捉え方もまたありだ。

　　　

■最上階まで温泉を持ち上げ、かつ24時間入浴可能にするということは、湯質をかなり犠牲にしていると思われるが、ロケーショの勝利であり、そこにこだわりすぎる人は他の施設を利用すればよいのだということになろうか。週に１回湯を全部入れ替え、後は消毒殺菌で循環しているようだ。もちろん順次湯を加えているかもしれないが、そのあたりは脱衣所の泉質表示には乗っていない

　　　

■上諏訪を夏に訪れたのは久しぶりで、上諏訪駅を改めてまじまじ見たのは久しぶりで、しめ縄がこのようになっていたかとか、はるか昔にはホームに温泉があったけれど、すでに足湯になってから久しいとか、いつも晴れ男の私が雨の諏訪となっているのは初めてだとか、さまざまな思いもあるけれど、今回のましまし氏との対話は実に実り多かった。

　　　

■最後に東京方面と名古屋方面のホームに分かれてから、私は始めてホームにある足湯につかってみた。こちらのほうがしっかり温泉成分表もあり、由緒正しき温泉であることがわかる。帰りの電車間中では全く知らなかったが、名古屋に戻ると例のゲリラ豪雨があったとかで、一時は栄などもものすごかったという。しかし空は晴れていて、言われなかったら何事もない暑い夏の１日のようだった。

人生丸ごと湯治日記（２４３） 20130805 Monday