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■スマホに電話してくれたのは木盛あまねちゃんだった。そしてそのすぐ後にたっつぁん（木盛龍彦氏）の声。今すぐ近くを運転しているとのこと。結局、国東半島から来ている友人家族をおもてなし中らしく、急遽私も服を着て車に拾ってもらうことになった。どこに行こうとしているのかと問うと答えは「滝」だった。別府市の水源となっている滝…？

■たっつぁんスギノイホテルから山沿いに車を走らせて、別府市にある少し怪異な遊園地であるラクテンチ南門そばに車を停めた。そしてそこから徒歩で乙原川の渓流伝いに上流に向かう。大分自動車道をくぐり、だんだん険しくなる山道を15分ほど歩くと、突然木々の向こうに滝が見えた。乙原の滝だ。滝壺近くから断崖を見上げる。苔むした絶壁。

■豊富な水量で、水飛沫がすがすがしい。滝つぼがＵの字になって引っこんでて、最奥近くまで行くと右側にもう一筋隠れた滝がある。滝の水の飛沫が雲が湧くように押し寄せてくるので、顔や髪はけっこう濡れるけれど、光が曲がるかのような光彩と水滴の魔術。足元の水は冷たい。

　　　

■あまねちゃんが本当に久しぶりにfacebookを開いてくれたからこそ、絶妙なタイミングで今この場にいるのだ。ロングに引いた滝の半分と滝つぼの絵づら。滝つぼの岩の上にたっつぁんがいる。「心より一歩先んじる行動を取る」と表現しているたっつぁんは、ふんどし一丁になって滝壺に。祈りを詠唱した後、無我のまま石の上で滝に打たれている。

　　　

■この乙原の滝は落差60メートルだが、滝口のすぐ手前で湧出して、すぐに落下しているので、水の新鮮度は完ぺきだ。別府の町の水源だというが、贅沢な鮮度であろう。手のひらで掬っていくらでも飲める気がする。実はこの後、みんなで車を置いてあるラクテンチに戻ったのだけれど、私は滝壺横の石の傍にカバンを丸々置いたまま忘れて来たことにようやく気付いた。

■そのまま走って取って来るから先に行動しててと言ったけれど、たっつぁんがついてきたてくれた。人間が喜び楽しんだことで、自然や空間が変わるということなど、様々なことを語ってくれたのだけれど、細い山道なので後ろにいるたっつあんの姿が見えない。右や左の肩越しに声だけがある感覚はカスタネダの本の中の出来事のようで、超常的で真摯でそして面白い。

　　　

■この日は結局、国東から別府に今月引っ越してきたばかりの木盛家に泊めていただくことになった。本当に久しぶりにたっつぁんと色々な話ができて、実に面白かった。彼は地球再活性のワークや、個々人の中の王の帰還ワーク等など様々なことにバイタリティに満ちて活動している。

人生丸ごと湯治日記（２３８） 20130415 Monday