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■１■雪道とはいえ、台温泉－花巻温泉間は路線バスが行き来できる広い道なので、道に迷うことはない。郵便局・ホンプ場・神社・薬局・病院と辿っているうちに大型ホテルが４つ固まって建ち並ぶ花巻温泉に到着した。今年で最大の寒波らしく、粉雪は降りやまない。雪で覆われた広い道路の上には凍っている場所があり、その上にまた粉雪が降り積もっている。知らずにそこに乗るとすってんころりんだ。

■２■注意していたが、ふと車に気を撮られた隙にバランスを崩して大転倒。見ている者は車の中の人だけなので、手で大丈夫と合図をする。降りしきる雪の中、スマホで音声検索をして、一応チェックしておいたホテル紅葉館の場所をどうにか探り当てる。すかさず立ち寄り入浴の手続きをし、地下１階の大浴場に向かった。ここには内風呂の大浴場と、５角形の屋根がある広い露天風呂がある。800円なり。

　　　

■３■花巻温泉は1923年に台温泉から引湯をして開湯し、昭和初期には一大行楽地として栄えた。戦後になって台温泉からの引湯管が傷み始めたので、ボーリングをして独自源泉も確保した。かつては花巻鉄道がここまで来ていたらしい。今でも仙台から高速バスのけんじライナーがここまで乗り付けている。近くには宮沢賢治が設計した「花巻温泉ローズ＆ハーブガーデン」があるらしいが雪で分からない。

■４■ここの源泉名は花巻温泉（混合泉）となっている。お湯の泉質は単純泉（低張性弱アルカリ性高温泉）で、源泉温度は66.9度Ｃだ。pHは7.8。大ホテル・大浴場なので、清潔で広く備品も揃っているが、掛け流しではなく循環ろ過・塩素消毒されている。しかし真冬でしかもチェックアウト後の昼前なので客数が少ないことと、雪が今でも降り積っている雰囲気で、総合点はかなり補強されているだろう。

　　　

■５■少ない客は内風呂に集まっているので、露天風呂はほぼ独占状態で味わえた。静かな雪見風呂というより、近所で作業する除雪車の放出する雪が風に舞い、時々露天風呂の屋根もお構いなしに吹き込んでくる。それでもおさほど気にすることなく、花巻駅行きの路線バスの出発時間までの45分間をゆっくりと温まった。花巻駅から無料送迎バスに乗り、大沢温泉の湯治部に向かうことにしよう。

人生丸ごと湯治日記（２２０） 20130220-03 Wednesday