（218）台温泉「精華の湯」

■１■大ホテルから小旅館まで揃っている有名な花巻温泉は、さらに1.5kmほど山の中にある台温泉から引湯しているのだが、本日の第１湯はその台温泉にある唯一の日帰り施設「精華の湯」だった。雪の中に立ちつくすのは体力を消耗するからと入ったのだが、冷えた体には染み入る温もりだった。大きな窓ガラスの外は降りやまぬ雪。雪国に来たのだなあと、雪の中ではなく湯の中でしみじみ実感する。

■２■浴室に入るとすぐに檜と硫黄のにおいがする。外は１日中零下の真冬なので、冷えたままの眼鏡が瞬時に真っ白に曇って何も見えない。まだ乾いているタオルでメガネを拭いても、浴室の中は湯船でやっぱりほとんど見えない。窓の外が真っ白な分、屋内はかなり暗くみえる。地元の人だろうか、先客は２人。浴槽は２つ。取り分けて大きくはないが、少し深めでゆったり足を伸ばすには十分である。

　　　

■３■お湯は無色透明で、加温・循環・濾過はないが、源泉温度が96度Ｃと高温なので、浴槽の手前30cmの位置でセンサーを使って加水により温度調節している。泉質は含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉（硫化水素型）で、蒸発残留物は１kg当たり1162gでpHは8.0である。窓ガラス越しとはいえ、雪見温泉の醍醐味は十分味わえる。入浴料は500円なり。こじんまりとした施設であるが、冬は特に有難い。

　　　

人生丸ごと湯治日記（２１８） 20130220-01 Wednesday