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■午前11時20分、福岡の天神バスセンターに到着。昨夜の午後９時に東京は新宿西口の高速バスターミナルを出発してから、実に14時間半近くバスに乗り続けた移動だった。しかしゆったりリクライニングできる３列の独立シートだったので疲れは皆無に近い。今回の旅のテーマは温泉探訪と河童研究と旧知再温である。同行者は妖怪研究家でもある甲田列氏、及び天神バスセンターで合流したチョコボ氏である。

■前々日に版画家草子氏の個展に向かい、kiraku氏やジャーＰ氏たちと東京の本郷３丁目で飲み、そのまま草子さんたちの友人宅に泊めていただいき、昨日はそのまま浅草のテラバイトを経て新宿のバスに乗ったので、顔の１つでも洗いたかった。早朝に博多入りしていたチョコボ氏がネットカフェで時間を潰していたというを聞いて、先ずは天神のネットカフェに入ってシャワーをひと浴びしてさっぱりする。

■最初の宿はハンダコーセン氏の事務所にお世話になることにしていた。私のＰＣのメーラーは壊れ、携帯電話の番号も知らぬまま名古屋から東京に移動し、その足で福岡まで移動したので、手はずの連絡はチョコボ氏にお任せして、お世話になる友人に直接連絡を取らぬままだった。午後１時半に西鉄高宮駅で待ち合わせして、ほぼ20年ぶりに会う大学の後輩直美ちゃんに出向かえてもらって事務所へ向かった。

　　　

■コーセン氏の新しい３階建ての事務所は、彼のセンスで内装から備品までクールに統一されていた。彼の最初の本がついに英訳されて、10月中旬に米国で出版される運びになっているらしい。タイトルは『Ｏ.Ｋ.Ｏ.Ｔ.』。また日本でも11月にそのオリジナルである『人類が神を見る日』に大幅加筆したものが新装本として徳間書店から出る。彼のＨＰ『ヌースアカデメイア』も前後して一新される予定だ。

■甲田氏の妖怪研究と最新のヌース理論が話としてかみ合うのか微妙に心配だったが、妖怪はルート２の系とルート３の系があるとか、ヌース理論的には妖怪の立ち居地は月的な世界であるとか、なかなか面白い整合的認識が生起した。新しい本の内容のネタバレにならぬよう多くは語れないけれど、コウセン氏はどんな質問やツッコミに対しても丁寧かつ細やかに語ってくれるのが素晴らしい。明るい未来とその方向…。

■最近見た『デジャヴ』という映画がたいそう気に入ったという話をしたら、ＤＶＤを借りてきてみんなで観ることになった。事務所のＰＣとプロジェクターを使い、白壁を大画面のスクリーンにしての上映会だ。２度目をこんなにすぐに鑑賞できるとは思っていなかったが、個人的にはやはり未来に見られているシーンと最後の一方的な思い入れの再会シーンが好きである。感覚的に身に覚えがあり響いてくるのだ。

■かくしてそぞろに１週間ほどの九州「れっつとらこぼ」のでこぼこぼこトリオの旅は始まったのである。超貧乏というわけではないが、決して裕福でもない３人は、自由に使える時間を持っているという一番豊かな自然のスタンスではあるが、それでも時間と空間を移動して行くには他者のヘルプとサポートが必要である。感謝の気持ちを忘れぬこと。明日は夕刻からコウセン氏の事務所でプチパーティの予定だ。

(on 20070903)

人生丸ごと湯治日記（１４２） 2007.09.12 Wednesday