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　さて難しそうな話は横に置くとして、４人の温泉旅行であればこそと言うべきであろうか、今回初めて温泉卓球なるものをやってしまった。フロントのすぐ前に卓球台が置いてある部屋があるなあと思っていると、いつの間にか純子さんと尚子さんがピンポンを始めているではないか。これは面白い映像だと思ってビデオカメラを回していると、久女さんもやってきて参戦である。

　純子ＶＳ尚子は純子の体力勝負の判定勝ちであろうか。次の純子ＶＳ久女は互いに気を使ってか引き分け気味となる。もちろんあの天才少女愛ちゃんとは大違いでラリーもそこそこしか続かないめちゃくちゃピンポンではあるのだが、なにやら大いに楽しそうである。そんな当方の思いを見透かしてか、純子が「マロちゃんもやらない？」と言葉巧みに誘う。かくして満麿ＶＳ久女へとなだれ込む。しかし全然ラリーが続かないので勝敗のつかぬまま、次の満麿ＶＳ尚子戦となる。

　満麿はラリーを長引かせるつもりで、余裕を持ってゆっくり打ち返えす作戦に出た。しかし相手もラリーを楽しむとは限らず、思いもかけないところに玉が飛んできて、余裕をかます間もなく浴衣のすそを踏んですってんころりん現象に巻き込まれる満麿。ここで見かねた純子登場。メインイベントとも言える純子ＶＳ満麿の戦いの火蓋が切って落とされた。負けるはずがないと信じきっている満麿は、余裕をぶっこいてのらりくらりの接待ラリーに持ち込もうとする。

　しかし仁義も温泉ピンポンモードもあったものではない。真剣に勝ちに来る純子。満麿、余裕を引っ込めて真剣モードに切り替えたものの、純子の気迫の連続スマッシュにあえなく撃沈。１セットを大差で敗北である。悔しい満麿はリターンマッチを申し出る。鷹揚に応じる純子。悔しさ倍増で燃える満麿。ラケット交換し、場所もチェンジしてもらって万全の体制での再戦である。

　しかし戦っていくうちに、かつての体の動きやタマの切れが全くなくなっていることに気づく満麿。焦るが時すでに遅しで、再度の大敗である。見栄も誇りもあったものではない。入るべき穴もないあられもなき笑いものである。その時ちょうど夕食の時間となる。満麿は心ひそかにいつか再度練習して再戦し、今度こそぶっちぎりの大勝利をするのだとの妄想に包まれながら、食事の部屋に向かうのであった。…ううむ、しかしとっても悔しいのである。

■画像キャプション
右上：岡本屋の帳場横の会談と廊下。尚子さんの目利きでは高級の木が使われているとか。右手には卓球室。
左下：岡本屋の正面玄関の前での集合写真。右端は女将さん。抱かれている孫娘さんと猫のクロとは仲良し。

人生丸ごと湯治日記（０８５） 20051019-4