（０３９） 赤坂小町と「石和健康ランド」

　６時２０分に甲府駅前に到着し、さっそく集合場所に向かう。私がネット上に「甲府駅北口改札口集合」といい加減に表記したので、危うくすれ違いドラマを演かけた甲田氏とチョコボ氏と巡り会い、竜王から電車で来てくれたサカイ氏と合流する。４人でタクシーに乗り込み、サカイ氏のお店に向かうが、先ほど山口温泉へ行った時のバスの道と良く似ている。尋ねてみるとやはり山口温泉は近所だとのこと。今日はよく同じところを行ったり来たりする。

　サカイ氏のお店「赤坂小町」はその名から和風のものをイメージしていたがさにあらず、空間を贅沢にデザインしたシャープなの洋風のお店だった。今夜はこのお店の広めの個室で美味しい料理攻めを受けてつつ、明日の未明に行われるヨーロッパチャンピオンズカップ第１戦の「レアルマドリーＶＳユベントス」をＴＶ観戦するのだ。お客やお店の人への挨拶もそこそこ部屋に通されて、まずはビールを一杯。鯛鍋、白子のポン酢風、刺身盛り合わせ、ステーキ、生牡蠣＆牡蠣フライ、おにぎり、鍋締めの雑炊などなど、思い出して列挙仕切れないほどの歓待だ。ここの気さくで明るいママとサカイ氏に対してはただただ感謝の極みあるのみである。

　中でも今日行きたくて行けなかった増富ラジウム温泉の温泉水に巡り会えたのは嬉しかった。現地の人でも知らないという特別な湧出口から、旅館の娘さんがペットボトルに汲んできてくれた貴重なラジウム温泉水を、みんなでお猪口で一杯ずついただいた。何とも表現しがたい独特の濃い味がしていて、実際にいろいろな効用がありそうだった。私はオカルト的にありがたがるつもりは毛頭ないが、満腹で苦しくて動けないほどだったのに、これを飲んだらその満腹感がすっとなくなってしまった。サカイ氏はいわゆるルルドの泉の水と同じだと言っていたが、確かに尋常ではない液体だ。

　そんなこんなの様々な話をし、途中仮眠を取ったり食休みをしたりしながらようやく午前４時半に辿り着いた。いよいよ「サッカーぬうす」の始まりである。試合は思った通り、高等な技術と戦術を背景とした肉弾戦である。互いにリーグ戦では力を温存してこの試合に臨んだのだが、結果は１−０でレアルマドリーの勝ちだった。ホームとアウェイを交換して２週間後に行われるセカンドレグに含みを残した。試合が終了したのは午前７時前だった。そのまま眠らずに４人でタクシーに乗り、小雪がぱらつく中を竜王駅へ。そこから電車で石和温泉に移動し、さらに１５分歩いて石和健康ランドに到着する。ここでゆっくり温泉に入ってから、各自ここの仮眠室で午後２時ごろまで眠ろうという算段だ。

　しかし眠気で朦朧としていた意識も露天風呂につかると目がかなりしっかりしてきた。インド帰りからまだ間がない甲田氏は日本の寒さにまだ馴染み直しておらず、今年から週休７日制を引いて何十年ぶりかの緩んだ日々を送っているらしいチョコボ氏は、共に少ししんどいところもあったようだが、しばらく温泉につかりながら「温泉ぬうす」とあいなった。午前９時過ぎまで話した後、約束の時間まで各自仮眠とする。

　この施設内はあちことに企業努力が感じられ、清潔で使い勝手も良い。使い放題のマッサージ機も魅力的だ。これでわずか１５００円ほどなのだから、よほどこのようなところが苦手でない限り利用しない手はない。残念ながら山梨・長野・静岡の３店舗しかないのだが、それでもさっそく今後も割引が効く会員登録をしてしまった。

■画像キャプション
右上：間近から見た山口温泉の入り口。出入りする時にはチャイムが鳴る。右手には無料の飲泉所が見える。
左中：この露天風呂にて温泉ぬうす。さすがは石和温泉の地、この露天風呂と正面奥の硫黄泉は温泉である。

人生丸ごと湯治日記（０３９） 20050222〜3-1