(006)東海道線朝からいきなり断線中

20010317
 2日目の朝早く、寒さに背を丸めながらJR藤沢駅の改札についてみると、何やら人がたむろしている。場内放送によると、今日早朝4時過ぎに川崎〜鶴見間で貨物列車が脱線したとかで、アサイチから現在東海道線不通とのこと。私は隣の大船駅まで行き、そこから横須賀線なり京浜東北線なりで東京まで行けるとすぐ分かるのだが、名古屋から来ていて東海道線のオーソリティではない八神クンは、このようなこまわり機転は不可能だろうからどうするのだろうと思いつつ、とりあえず私だけでも浅草へと電車に乗る。東海道線は大船でくだりへ折り返し運転中だった。

 車中で突然携帯電話が鳴る。車内では現在携帯は自主的にオフにすることになっているのだが、事故の起こった今日は特別らしくあちこちで鳴っている。八神クンが小田原からかけてきたのだ。私のように乗り継ぎでと説明するが、難しいので駅員さんに聞いてみるということになった。彼は面白い体験をしたいのもあってテラバイトもしてくれているのだが、事故によっていきなり通常ルートでない道のりをロールプレイングゲームのように探しつつ、上野までたどり着くというミッションを遂行しなくてはならない面白さまでオプションでついてしまった。彼は運がいいのか、悪いのか。まあ前者だろう。それにしても小田原から片道2時間通勤とは、今後の体力が大丈夫だろうか。

 結局30分の遅刻だけて彼は仕事に間に合った。小田急線で新宿まで来て、そこから東京−上野とJRで辿り付いたらしい。彼は青春18キップを購入しているというので、私鉄の小田急線の運賃はどうしたのかと尋ねると、駅で振り替え乗車券を発行してくれたという。そういえば私も以前、突然の事故で振り替え乗車券を発酵してもらったことがあるが、あれは発行してもらうために並ぶのが大変だけれど、誠意を感じるシステムだ。急いでいる人には迷惑なだけだろうけれど、ゆっくりしている人には想定外のハプニングで楽しい。そしてあの券の有効性は結構アバウトで、途中で乗り降りできるし、実はどこまでも乗って行けるはずのしろものだ。元のキップ券は見せなくていいし、名古屋とか福岡とかで下車したらさすがにチェックは入るだろうが、多分東京までのキップなのに、大宮とか千葉とかまでならそれで乗っていって降りても経験から大丈夫なはずである。

さてではオマケに本日のトーラス劇場 in 墓地を掃きながら。

八神 「さっきお墓で家族が記念撮影とってましたよ。」
「あー、あれはな、時空を越えた多世代ポートレート撮ってるんだ」
八神 「はー、そうなんですか」
(おい、あっさり信じるなよと思いつつ)「で、翌日とかな、写真DTP後によくあるんだ、こんなふうに言う人が。『うああーっ!なんか死んだじじばばでないものまで写ってるよーっ!こえーっ!』」
八神 「それは恐いですね。」
(おい、だからそこはツッコミはいるとこやってのに、と思いつつ)「ま、それで生前の隠し女とかがバレたりするんだな。」
八神 「はー、勉強になりますねー。」
(死んだじじばばが写っていること自体も恐いんだけどと最後まで言えず)「………。」

 向学心もいいけれど、ちっとは人の言うことに突っ込み入れてくれ。ひょっとして関西人が東京人に感じる感覚の1%くらい分かったかもしれないと思いつつ、墓の掃除に拍車がかかる私であった。

テラバイト日記(006)

BITE-007